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エンドレスサマーエスケイプ17日目

11月8日(日)

 『談笑の弟子!!』の日。
 今月は笑二が日程の折り合いつかず、笑坊と2席ずつ。

 笑坊『狸札』『あくび指南』
 吉笑『台本問題』『井戸の茶碗』

 マクラで先日、飲んでる時に笑坊に言ったあることを高座で喋った。何でかは分からない。
 思ってても言わなくていいこと、かもしれないけど、思っているのにそれを伝えずにいるのは不誠実な気がして、特に近しい人だったり、グッと距離を詰めてきた人には全てを言うようにしている。
 自分では、現時点では自分の考えは正しいと思っているし、一方でそれが絶対に正しいなどとは思っていない。他人にとやかく言われようが、言われた側がそれを信じるか信じないかは自由だし、何者でもない自分ごときにどう言われようがそんなものは突っぱねたら良いだけのことだ。それが、いずれは一人で仕事していくことになる落語家にとっては当然の振る舞いだ。

 思えば自分もそうしてきた。
 未だにどうにも自分の進もうと思っている行き先を信じてもらえないことも少なくないから、もっとどうにもなっていなかった入門当時や前座時代は、他人の声が聞こえてきて、色々煩わしく感じたこともあったっけ。

 まだまだ振り返るには早過ぎるし道半ば、というか、これからいかようにもなってしまう状況ではあるけど、現時点では自分のやってきたことは間違っていなかったと思えている。気付けば、外野からの声もあまり聞こえなくなってきた。(その分、別の外野からの声が大きく聞こえるようになってきたけど。)

 あの時、ああだこうだ言ってきてた人たちは何でなにも言ってこなくなったのだろう?
 やってることはお互いあのときから何にも変わってないのに。
 そういうことに遭遇するたびに、覚悟がないやつはこっちに干渉してくんなと思う。
 まぁ干渉されたところで、突っぱねるだけではあるけど。

 18歳の時から今のいままで、『ただ、自分が好きな面白いことをやりたい』とあがき続けてきた。その一歩目は京都のお笑いインディーズライブだった。
 完全にプロを目指していた自分は、まわりの覚悟や温度がぬるくて、何度も衝突したっけ。
 こっちがどれだけ力説しても聞く耳持たずで、挙げ句の果てに「俺も本気でプロになりたい」とか言ってた人たちが、とっくに辞めて他の道に進んでいる。お前の本気ってどんだけショボイんだよ。
 そういうことに遭遇するたびに、覚悟がないやつはこっちに干渉してくんなとつくづく思う。
 まだまだ売れてないし、あのとき描いた自分の理想像とはかけ離れた現状ではあるけど、それでもこっちは面白いことをやるための環境だけは死守してきたつもりだ。まわりにいた何人もの自称同志は気付けば減りに減って、ギリギリ1人2人くらいが残っているくらいだ。

 幸いにも落語家になってからは、才能と心意気のある先輩や後輩に恵まれたおかげで、辺りを見渡せばただただ刺激を分けてくれる仲間が何人もいるし、ありがたいことに最近はそういう方々とご一緒する機会の方が増えてきた。

 誰かに言わなくていいことをああだこうだ言ってしまうように、
 そんなドライな目で僕は常に僕自身のことを見ていて、
 そのせいかしんどくなってしまった事もあったけど、
 もし今、自分が少しでも恵まれた環境に留まることができているとするなら、
 そんな見方のおかげなのかもしれない。

 いずれにせよ、笑坊頑張れよ〜。