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久しい最近

 なかなかブログを書かなくなってきた。もちろん忙しいということもある。当初の予定からずいぶん遅れてしまっているけど『ゼンコクツアー』の準備を相変わらずやっている。9月1日から始まるので本当はもう告知を始めた方が良いのだけど、グッとこらえて大方の目処が立つまでひたすら水面下で準備準備準備。現状としてはようやくチラシの作成に入ったところで、チラシ自体は月末から配布できそう。それに先立って第1段のツアー日程やタイトル、メインビジュアルなどを公開できそう。6割くらいの日程は決まったから昨日からは新たに他の地域の公演を具体的に準備し始めたところで、時間や料金や予約システムや、チラシのチェックやなんかで、本当にひたすらメールのやりとりをしている。
 あとは同じ様な作業として『立川流ver.3.01』の裏方作業もひたすらやっていた。これまでも同じ枠で番組は放送されているから全ておまかせすることも可能だったのだけど、自分が表に立って開催する以上、それ相応のものを用意しないと気がすまない性分なので、企画・構成から、音楽の手配、映像、ロゴやテロップなどのビジュアルワークまでこちらで用意しているので、それも手伝ってくれている仲間や先方とひたすらメールのやりとりを。会自体は無事に終わって、後は再放送に向けての編集作業がそろそろ始まるところ。スケジュールに載せたけど、次回は8月11日(火)に決まった。出演はらく兵兄さんと談吉兄さん。もう少し近くなったら告知を始めるけど、すでに予約を受け付けてもいるので興味がある方は是非。

 6月からMCで参加させて頂いている『WOWOWぷらすと』の準備を兼ねて観るべき映像が増えたことも使える時間が減ったことに関係している。『モスラについて』『ヴェンダースについて』『ドキュメンタリーについて』と3回やってきたことで、少しずつ番組との距離感が見えてきた。たくさん予習したり、あまり予習しなかったり、元々の興味がある分野だったり、とパターンによってどういう感じになるか試しているところだけど、そろそろどれくらい予習するべきか、そしてどれくらい予習しないべきかのラインが見えてきそうなので、流れに乗ったら随分カロリーは下がると思う。これまであまり馴染みがなかった映画を観ることに慣れていくことはゆくゆく自分のアウトプットにも活かせる気がするので、とにかく今は指定されたジャンルの作品を観ていくようにしている。次回のテーマは『ピンク映画』。もちろんこれまで全く通って来なかったジャンルなので、今回は本当に何にも知らない状態で収録に挑んでみて、その中でどういう立ち振る舞いができるか試そうかと思う。
 重なる時には重なるもので『NHKアーカイブス』でレコメンドを書いて欲しいという依頼を受けて、土曜日に放送されている『ちゃんぽん食べたか』というさだまさしさんの自伝的ドラマの映像素材も毎週送られてくるから、観ては文章を書いてという作業をしている。まだ発表できないけど、今度とあるテレビ番組に出演させて頂けることになって、資料としてその映像も確認しなくちゃいけなくなったりと、ほぼ毎晩何かしらの映像を観ている最近。自然と物事を考える時間は減ってしまっている。本末転倒な気もするけど、これがずっと続くわけじゃないからひとまず今はそういう時期なんだろうと思って流れに身を任せている。

 そういう風に自ら舵を切ったから当たりまえなのだけど、出演する落語家も企画性に飛んだものばかりが増えてきて、ヒッチコック作品をテーマに落語を拵える『ニュー・ラクゴ・パラダイス』、水道橋博士から頂いたお題を元に落語を拵える『ハートオブモンスター』、粋歌姉さんにあやかってOLをテーマに落語を拵える『立川吉笑の”盗んでいいですか?”』、まだ言えないけどとあるラジオ番組の企画でちょっとした落語を作って欲しいという依頼があったりと、とにかくネタを作ることが求められる仕事も重なりだして、こっちもヒィーヒィー言うようになってきた。あとは『吉笑の打ち上げ』もちょっと変わった企画だけど、出演依頼が来た際に企画会議から始めさせて頂いて、その段階から自分の熱量を込めるようにしていると楽しい仕事が増えてきた。『吉笑ゼミ。』を始めて、それまでの自分の力以上にたくさんのお客様に興味を持ってもらえることを身にしみて分かってからこっち、これまで以上に企画性に重きを置くようになってきた。単純に自分が客としても、企画性って結構行くか行かないかの判断材料にしていたし。そんな中では身近な方だと寸志さんなんかは同じ様なスタンスで会を作っている感じがする。客として行きたいなぁ、と思う会が多い。

 とは言え、企画重視の方向はひとまずこれくらいでいいだろうと思っていて、反動として今度はオーソドックスなTHE落語会に興味が向いて来た。とにかくカウンターをとりたい天邪鬼な性格なのです。名古屋はシネマスコーレでの独演会だったり、南千住はカフェあなぐらでの独演会だったり、それこそ『5年目の吉笑』だったりはただただ落語をやるシンプルな会にするつもりだし、自然とそういう仕事が集まるようになってきた。流れって不思議。

 まだ正式に発表できる段階では無いけど、このままいけば年末にDVDと本を出すことになりそうで、当然その準備もじわじわ始めつつ、7月8月はかなりそちらに力をかけることになりそう。

 と、ちょっとアウトプット過多な気がする今年の活動なのだけど、全てそういうタイミングなのだろうと思って取り組むことに決めた。どれだけ望んでいてもそういう打席に立つ機会すら与えてもらえない方ももしかしたらいる中で、ありがたいことに今の所自分には割と打順を回せてもらっているので、そのこと自体に感謝しつつ、ホームランを狙って常にフルスイングしていきたい。落語家としての先は長いから、この感じがいつまで続くかとか、この先の先に自分がどうなるかとかは本当に何にも分からないけど、それでも向こう数年分くらいの景色というかその明るさくらいはぼんやり見えてきていて、うまくいけばとても気持ち良い景色が観られそうだから、とにかく一歩一歩やりたいことややるべきことに邁進していきたい。