台風に向かう形ではあったけど、２日間ほど京都に帰ってきた。特に用事があったわけではないけど、特に用事がなかったわけでもないので帰ることに決めたのだけど、いざ帰るとなってちょっとしたら嬉しい誤算が２つあった。１つは『レコ発企画』を一緒に進めているhow to count one to tenが京都の『MOJO』というライブハウスでたまたまライブをする日だったこと。もう１つはミシマ社主催で森田真生さんの数学ブックトークというトークイベントがあったこと。ということで、２泊３日の帰省の大半の予定がイベントで埋まる、ヘンテコな状況になったのだった。

　初日の夜は『MOJO』でhow toのライブ。ここは僕も１年だけ通っていた時に所属していた軽音楽部でのバンドで出演したことがあるライブハウス。高校のすぐ近くにあるところ。「けいおん！」に出てくるあのライブハウスでもある。看板とか。
　小さなライブハウスのイベントに行くことはあまりないのだけど、how toを観に行く度に色々と考えさせられることがある。しかも今回は京都だからなおさらだった。概ね、恵まれている自分の環境に感謝する感じ。ライブ自体はいつも通りかっこ良かった。変拍子でトリッキーな曲も少なくないからhow toはたくさん聴き込んでからライブを観た方がより楽しめると思う。変拍子の曲に同期するだけで気持ちいいからなぁ。あんまり音楽のことは分からないけど、how toはドラムがうまい気がする。なんか自在に叩いている感じで、それだけでおぉ！となる。あとは超ストイックな感じがばんばん伝わる演出もすごく好きだけど、そこにもう少しだけ外向きの魅せ方が加わったらもっと凄くなるんじゃないかなぁ、などと思ったり。
　せっかく地元なので、本当なら皆を飲み屋に連れて行きたかったのだけど、向こうは向こうで打ち上げがあるだろうし、こっちも予定があったので挨拶すらせずに退散。

　２日目は台風直撃の日。この日は知り合いを京都ガイドする予定だったのだけど、歩き回るには最悪の天気だった。とは言え、13時から森田さんのイベントがあったから、とりあえずアーケードになっている錦市場を案内して、その後はここぞとばかりに森田さん初体験のその方を連れてイベント会場の恵文社に向かった。本当は自転車でも借りて鴨川沿いを北上したかったのだけど仕方なくタクシーで。恵文社の雰囲気は気に入ってもらえたゆで良かった。とても素敵な本屋さんなのです。
　どうせならと、イベントにお連れすると決めた段階で三島さんの『計画と無計画のあいだ』をプレゼントして事前に読んでもらったので、イベント会場でほんわかと動いておられる方がその著者だと伝えたら一段と前のめりになってくださった。前回帰省した時に、森田さんと一緒に三島さんのお宅にお邪魔させて頂いたのだけど、家の雰囲気もお人柄も本当に素敵で、僕もお会いする前に『計画と無計画のあいだ』を読んだから本の印象と実際の印象がピッタリで、楽しい時間を過ごさせて頂いた。森田さん含めてこの１、２年のあいだ心底影響を受けている方々で、ただただ刺激的だ。
　森田さんのトークは相変わらずで、やっぱりたまらないんだよなぁ。もちろん第１回目からオファーしたけどお忙しいからタイミングが合わなくて、それでも絶対に「吉笑ゼミ。」に出て頂きたい。
　途中３ヶ所、森田さんの話に触発されてネタの種を思いついたからそれをすかさずメモしていたら、森田さんも話しながら僕が「ニヤッ」とした瞬間に気づかれていたようで、それはちょっと恥ずかしかった。ともあれ、３時間くらいかな、という予定で行ったら結果４時間みっちり話されて、三島さんとも森田さんともゆっくりお話させて頂きたかったのだけど、宿のチェックインの時間が18時まで、というシステムだったので、泣く泣く恵文社をあとに。そう、今回は実家でなく宿を取ったのでした。数学とか興味が無い知り合いもとても楽しかったみたいで、この間口の広さが森田さんの凄さだよなぁと思ったり。

　３日目は晴れたので日暮里寄席へ向かうまでのわずかな時間で京都観光を。これまで京都にいながら行動範囲はほぼ決まっていて、そういや何にも知らないなぁ、と改めて観光をしてみることに。実家から徒歩１分のところにある二条城にも今回入ってみた。たぶん子供の時に家族で来た記憶はあったけどほとんど印象に残っていなかった。あらためて中にも入ってみたら二の丸、凄くて驚いた。そりゃ世界遺産だから当然か。あとは御所を少しだけ回ったり。
　近くにいるからこそ知ろうとしなかったけど、身の回りのことをもっと詳しくなろうと思った。誰かがきた時に気持ちよく案内できる人になりたい。