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Method of slow motion

 『Yesterscape』やっぱり面白い。ドラゴンレーダーでドラゴンボールを探すみたいに、昨日はあれから高円寺をてくてくしながら誰かの撮った写真探しをした。新高円寺あたりでついに反応があり2枚目の他人の写真を見つけることができた。今日は、作業場がある渋谷ヒカリエで起動してみたら何と3枚も反応があってほくほくした。
 これはやっぱりユーザー数が少ない今だからこその楽しみなのかもしれない。とりあえず、僕は高円寺・阿佐ヶ谷を中心にことあるごとに写真を残していくので、勉強会とかで高円寺に遊びにいらした際はぜひアプリを起動して色々と探してみてください。というか、そもそも何か企画にしても面白いかもしれない。ファインダー覗きながら街を歩くのってワクワクするんだよなぁ。

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 さて、話は変わって本日ようやく『レコ発企画』が情報解禁されました。いつくらいからだ、長らく『レコ発企画』『レコ発企画』と書き続けてきたけど、本当にようやく。

 ということで、『吉笑ゼミ。』のテーマ曲を作ってくれたりした同年代のポストロックバンド『how to count one to ten』さんの10月8日に発売される3rdEP『Method of slow motion』の『mathematics;re』という曲に落語で参加させて頂きました。

 『how to count one to ten』は基本的にインストバンドなので、そこに落語と、もう一組『本名竜也』という、これも同年代でオーディオドラマを作っているアーティストのパフォーマンスとで、物語性とか背景を際立たせることで、how toの曲がまた違った聴こえ方がしてくる、みたいなコラボにできればなぁという第一歩目からこの企画はスタートしました。

 以前、それこそ本名くんと部屋飲みしてる時に、何気なくYouTubeで家元の落語とDragon AshのFantasistaをマッシュアップさせたらえげつなく格好良くて、それが頭にあったから、この話をhow toから頂いた時、すぐにその落語=『鮫講釈』をやるべきだと思いました。

 ご存知の通り、『鮫講釈』は僕らしいネタじゃないし、本当にコラボをするのならもっと僕色の演目で、とも思ったのですが、まずは「落語×音楽」の新機軸をきちんと示そう、と講釈部分が言わばラップみたいで、とても音楽と親和性が高いことからこのネタ選びになりました。いざ作り始めて、当然家元のあの声での完成形が頭に浮かぶから、どうしても僕の技術だとなかなか理想型にはならなかったのですが、それでも、これを設計できるのは現時点では自分だけだろうということで、作業を進めました。一時期、ツイッターであげまくっていた足の青あざはこれが原因です。

 話をもらった時点では『ライブでやる』というだけだったので、ライブイベントとしてグッとくるように色々と仕掛けを考える時期が当初はずっと続きました。『Method of slow motion』というタイトルから、『時間』がテーマになってくるのは目に見えてましたし、それこそイベント中に時間軸がどんどんズレていくような入れ子構造の構成を組んだり、本当に試行錯誤をしていたのですが、how toの新作にこの音源を入れよう、という話が持ち上がってからはできるだけシンプルに、という方向で色々と削いでいく方向に進みました。

 取り組み自体があまりやられていない事なので、とにかく取り組みそのものをまずは提示しよう、と。その基本線が定まってから一気に作業が進んで行きました。とは言え、まだ今も最後の調整が残っている段階ですが。

 まずは10月8日に『Method of slow motion』が発売されます。そして、how toはレコ発ツアーを東名阪など回られて、11月8日にツアーファイナルとして六本木Super deluxeで『間、或いは行間』というイベントが開催されます。ここには僕も出演します。普段どおりの僕らしい高座を1席と、もちろんCDに入っている曲をライブでやることになるはずです。これ、音を聴いて頂いたら分かると思いますが『生でどうやんだ!?』という不安があります。今月末から早くも合同リハに入るみたいです。
 そういう早い段階からリハをやる感じとか(そもそもリハというもの自体とか)、告知でのすごくゲタを履かせた感じの手法とか(告知上では”天才と呼び声が高い革新派の落語家”と称されていました笑)、いわゆる音楽業界っぽい諸々に身を委ねて俯瞰で楽しめたらなぁと思っています。

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 この企画を引き受けるに際してまわりの仲間に相談をしたら『ただ一緒にやるだけのコラボはやらない方がいい』というアドバイスが色々な人から飛んできました。落語界だけでも最近とくに他ジャンルとのコラボが増えてきているなか、特に若くて、紛いなりにも目下の所”動き方”で勝負をしている立川吉笑がコラボを引き受けるからには、それ相応のモノを提示しなくちゃという気負いがあります。
 まもなく完成、というデモを聴くと、ひとまず、取り組んだだけの価値はあったな、と思えるくらいの作品にはなっています。お客様がどういう風に聴いてくださるか、今はとても楽しみです。

http://howtocount1to10.com/index.html