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『ぞおん』というネタ

 本日は談笑一門会。例によって、出番が終わった楽屋でこれを書いている。もうすぐ仲入りになるところ。
 いつもの金曜日じゃなくて、今日は火曜日開催でどうなるかと思ったのだけど、今までで一番たくさんのお客様に集まって頂けてとても嬉しく思っています。ご来場頂いた皆様、ありがとうございます!!
 師匠の鉄板2席は当然として、来月から二ツ目に昇進する笑二の落語だったり、笑二が前座を抜けてこれからどんどん場数が増えてくる笑笑の成長具合だったり、僕は僕で相変わらずヘンテコなネタだったり、手前味噌ながらバラエティに富んだ楽しい会だと胸を張って言える一門会ですので、ぜひぜひこれからも一緒に談笑一門会を盛り上げてくださればと思います。

 さてさて、そんな中、今月は『ぞおん』というネタを演らせて頂きました。

 毎月やっている勉強会で1度、その直後の羽光兄さんとの二人会で1度、の計2回やって、今日は3回目。勉強会はネタおろしかつ自分のホームということでまずまず笑って頂けることができたのですが、2回目をやった時は全然やりたい事が伝わらなくてステンと見事に滑ってしまっての3回目でどうなるかドキドキしながらの高座でした。

 元々は「演者もお客様も気楽に楽しめるような会にしよう」というコンセプトで師匠が立ち上げられた会で、だからこそチケットが当日券のみのスタイルだったりするのですが、ネタの方も「演りなれたネタを当たり前にちゃんとやればいいから」と師匠から指示をされているのですが、その指示を無視する形で、先月の『社交辞令』そして今月の『ぞおん』と僕はまだまだ固められていないネタを演らせて頂いています。(来月は『見たことも聞いたこともない虫』なので演りなれたネタです)

 というのも、二ツ目になってから師匠の前で落語をできる機会がほとんど無くなってしまい、今の自分の取り組んでいることを見て頂きたい、もっと言えば驚かせてみたいという思いが強くなってきたからです。驚いて頂いたかは分かりませんが、とにかく見て頂いているので、目標の半分は達成したことになります。

 そんな『ぞおん』。まだまだ作り込めていなくて、想像している完成形の半分くらいまでしか形にできていないのですが、今日、演れてとても収穫がありました。僕の場合、実際にやってみて少しずつ可能性を狭めて完成させていく、という手法をとっていて、というか机の前で考えていても数ある分岐から最終的に1つに絞りきることができないから、とにかく現時点で演れるところまでやってみて、それでまた整理して行くという感じになるかなぁと。

 ネタ出ししてからこっち、色々と考えていたら、思っていた以上に頼れるネタになりそうで、最初に思いついたネタの核はまずまず悪くないと思えていたのですが、そこからどう進めるかを決めかねていたのが、今回の形で方向性は完全に見えた気がしました。(こんなこと書いても、今日いらした方にしか伝わらないでしょうが)
 中盤にある、その新しくした改善点で、まさにドカン!と大きな反応を頂けたから多分この形で間違ってなくて、ただ、そこから後、演技がとても難しいクダリに入っていくから、ここは練習が全然足りていなくて、どうにもなりませんでした。想定どおりいけば、くすぐりごとに盛り上がっていくつもりなのですが、今回はそんな次元まで辿り着けず。
 来月の勉強会でもたぶん『ぞおん』を演ると思いますが、一番最初のシーンをちゃんと組み立てて、真ん中は今くらいでもいいから、その後の部分をきっちり練習できれば、またグンとよくなる気がしています。
 そうそう、関西弁で演っているのは、こういうバカらしいやりとりは江戸弁だと似合わない気がしているからで、最終的には枝雀師匠のネタみたいな感じに仕立てられたらと思っています。だからという訳だけではないけど、サゲは枝雀師匠を意識したものになっています。(分かる人には分かるはず)

 改めまして、今月もありがとうございました。
 予約なしのシステムだから蓋を開けてみるまでどれくらいのお客様に集まって頂けるか分からないから不安でしょうがないのですが、今日みたいに大勢のお客様に集まって頂くと、本当に(!!)嬉しかったりします。
 とは言え、武蔵野公会堂は広いのでまだまだご入場頂けます。そう遠くない将来、ここを一杯にできたらグッとくるだろうなぁと密かに思っています。今後ともよろしくお願い致します!次回は6月27日(金)19時からになります〜。