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ヨーロッパ企画

 ヨーロッパ企画さんが主催されている『ハイタウン2014』で落語会をやらせて頂いた。今は、1回目が終わって休憩中。このあと、『象の鼻はなぜ長い?』という芝居を観に行って、それ終わりで2回目の落語会。本多さんが観に来てくださるとのこと。ありがたい。

 今日はヨーロッパ企画さんとの事を書いてみよう。
 高校を卒業して大学に行きながらお笑いライブみたいなことをやっていた時くらいに『ヨーロッパ企画』という劇団のことを知った。京都で面白いことをしている劇団がいると耳にして、しかも、すごく近所に拠点を構えているらしいと。結果的にはヨーロッパハウスと呼ばれる、今でもヨーロッパ企画の拠点になっている主宰・上田さんの実家は僕の実家の近所で(徒歩5分くらい)、上田さんとは学年こそ違えど中学も高校と同じところに通っていたのだった。僕のうちから高校へ行くときの通学路の途中にヨーロッパハウスがあったから毎日前を遠っていたし、実家で拵えられているラスクのちょっと割れたやつみたいなのをとても安く売っていて、小学校の時はよくおやつに食べていたりした。
 そんなこともあって、それからはとても意識してヨーロッパ企画のことをチェックするようにしていて、そんなおり、ショートショートムービーフェスティバルというヨーロッパ企画さんが主宰されている映画祭に一般応募枠があることを知って、そこへ作品を提出したのがきっかけで、それから色々とラジオに呼んで頂いたりイベントに出させて頂いたり、とてもお世話になった。
 というか、そのとき映画祭のゲスト審査員だったのが今度、『吉笑ゼミ。』のゲストに出て頂く倉本美津留さんで、これがきっかけでその後、倉本さんに東京へ呼んで頂き、京都から東京へ上京し、そこでの縁で今や落語家になったのだけど、それはまた今度書くとして、とにかくヨーロッパ企画さんとの出会いが僕の笑いキャリアの始めなのだった。

 東京へ行ってしばらくした頃、『本公演に出て頂けませんか?』と誘って頂いて出演したのが2007年の『冬のユリゲラー』という作品。大阪のインディペンデントシアター2ndと東京のスズナリで合わせて20ステージくらいあったのかなぁ、僕のキャリアで初めてしっかりとギャラを頂けた仕事だった。
 後に『曲がれスプーン』というタイトルで映画化されるような芝居だったから、台本がとても面白くて、それまでの人生で一番大きな笑いを取れたのもこの芝居だった。劇中盤に『ヨネじゃないですか!』というそれまでの緊張を一気に緩和するセリフとそのあとの『ドラえもんと風、より違いますよねぇ』というかぶせで、ドカン!!とくる感じは落語家になった今でも滅多に味わえないくらいの体験だった。
 そこでの、同じ芝居でもお客さんの感じで全然受け方が違うとか、昼・夜・平日・休日・晴・雨などで、本当に全然お客さんのテンションが違うんだということも体感させて頂けて、その時の経験は落語家になった今でもとても役にたっている。
 憧れの銀杏BOYZさんとお会いできたのも『冬のユリゲラー』のときだったし、それを観にこられていて、後々に倉本さんから紹介して頂いたフジテレビのプロデューサーさんが、『噺家が闇夜にコソコソ』のプロデューサーさんだったりする(これは本当に偶然だったので僕もプロデューサーさんも驚いた)。
 と、とにかく今の僕はヨーロッパ企画さんなしには存在していないくらいお世話になった方々だったりする。最近は特に勢いが凄くて東京での仕事やテレビの仕事も本当に増えておられるから自分も頑張って、どこかの現場でご一緒できたらなぁなどと思っている。
 『冬のユリゲラー』の時は関西弁だったから、ヨーロッパ企画のお芝居としては珍しく僕だけコテコテの関西弁で演技していたのだけど、いまは標準語でも対応できそうだから、もう1回芝居出たいなぁと思っている。出来たら同じ冬のユリゲラーの井出役をやりたい。 
 さて、お芝居を観て来よう。そして落語だ〜。

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(これが、立川吉笑になる前の、僕です笑)