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『吉笑ゼミ。』始動!!

 このブログで『スクラップ企画』と称してこれまで準備してきた『吉笑ゼミ。』が情報解禁となりました!チラシを制作してもらっているところで、メインビジュアルが間に合いませんでしたが、ひとまず告知です。

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『吉笑ゼミ。』
〜知る喜び、知られる喜び〜

落語家・立川吉笑がお届けする一風変わった落語会。
その道の第一人者から、同年代の若手研究者まで、
様々なゲスト=講師をお招きし、本気の講義をしてもらいます。
講義で学んだことを、レポート用紙よろしく落語で提出。
大学を1年で中退した立川吉笑の、遅すぎるゼミ活動。

日時:6月24日(火) 19時開場/19時30分開演

料金:予約/2500円 当日/3000円
(予約・当日ともに1ドリンク付)

会場:原宿・ヒミツキチオブスクラップ

出演:立川吉笑

ゲスト講師:倉本美津留
[プロフィール]
放送作家。「ダウンタウンDX」Eテレのこども番組「シャキーン!」などを手がける。これまでの仕事に「ダウンタウンのごっつええ感じ」「M-1グランプリ」「伊東家の食卓」「たけしの万物創世記」他。「一人ごっつ」では大仏として声の出演も。近著にことば絵本「明日のカルタ」(日本図書センター)、「ビートル頭」(主婦の友社)がある。
また、ミュージシャンとしても活動。2008年、アルバム『躾』をリリース。ユニット”YOUに美津留”ではNHKみんなのうたに『月』を発表。2013年、空気公団とのユニット”くうきにみつる”のファーストミニアルバム「はにほへといろは」をリリース。

http://www.ninpop.com

プログラム:

落語①(立川吉笑)
・「僕」を知ってもらうために、古典・自作問わずに、いま一番やりたい落語をやります。

ゲスト講義(倉本美津留)
・「ことば」をテーマに、倉本さんにたっぷり講義を行って頂きます。

〜休憩〜

落語②(立川吉笑)
・倉本さんの講義内容を僕なりに解釈して作った落語をやります。

トーク(倉本美津留×立川吉笑)
・講義のこと、落語のこと、それ以外のこと、色々とお話したいと思います。

主催:立川吉笑GROUP

協力:ヒミツキチオブスクラップ

予約方法:

[メールにてご予約]

・お名前
・ご予約枚数
・ご連絡先(アドレス)

を明記の上、件名を「吉笑ゼミ。」として、

himitsukichi[at]scrapmagazine.comまでメールにてお申し込みください。

([at])@に変えてください)

[予約フォームにてご予約]

下記の「原宿ヒミツキチオブスクラップ」のホームページ内の予約フォームからお申し込みください。

http://realdgame.jp/ajito/harajuku/event/post_21.html

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 何から書けば良いのか、書きたいことが山ほどあるので分からないのですが、ひとまず第一報ということで思いつくままに書こうと思います。
 もともと理由は分からないのですが、僕は気がつけば数学が好きになっていました。理屈っぽい性格だから数学を好きになったのか、数学が好きだから理屈っぽい性格になったのかどちらが先かは分かりませんが、とにかくなぜか数学を好きになっていました。数学的なものであれば本であっても映画であってもTシャツであっても無条件でグッとくるような、それくらい、とにかく数学が好きなのです。
 
 で、ここは大事なポイントなのですが、数学は好きだけど、別に”数学ができる”という訳ではないのです。好きなのと、得意なのは違うわけなのです。僕の通っていた高校は京都市立堀川高等学校の自然探究科といいます。週刊誌などで春先に特集される「どこの高校からどこの大学に何人くらい進学したか」というような記事でも京都府内だと割と目立った成果を上げている高校で(国立・私立の何校かには劣りますが、公立だと府内トップだと思います)、そこの自然探究科というのはこういう分け方はナンセンスだとも思うのですが理系の学科で、確かに特殊な授業を受けさせてもらった記憶があります。マスマティカという数学のソフトを使っての演習だったり、それこそ1年間、自分でテーマを設定して研究の真似事をして最終的にはちょっとした論文を書いたりなんかもしました。だから普通の人から比べたら特殊な経験を積んでおり、数学だとかそういう理系的なものが得意と言えそうでもあるのですが、一方で僕は高校生になってから生活リズムが変わっていきました。お笑いに興味を持ち始めたのがこの時期だったりしたこともあって、毎晩オールナイトニッポンを明け方まで聞いていたので自然と遅刻が増えてきたり、部活で野球をやっていた以外にどういう時間の使い方をしていたのかあまり覚えていませんが、とにかく勉強はしませんでした。「俺はやったらできる」みたいな無駄な自信はあったのですが、本当に授業中はずーっと寝ていて、部活行って、帰ってきて何かやって、ラジオ聞いて、みたいなサイクルで過ごしていたので成績も基本2がずらーっと並ぶ、学年でもワースト5には常に入っているくらいの感じでした。
 これは周りがとても頑張っているやつばかりだったから気づかない間に僕もサボっているとは言え地力は他の高校の人に比べてついていたのでしょうけど、高三になってセンター対策のみに絞って、教科も絞って半年くらい一生懸命勉強をしたらとりあえずセンターはそこそこの点数が取れるようになっていました。センターの配点が半分以上を占めて、あとは小論文と数学のテスト、という入試システムだったので、2次の数学のテストはほぼ何にもできなかったのですが、何とか京都教育大学教育学部の数学科教育専攻というところへ合格することができました。
 これはまた別の話なのでここでは書きませんが、色々あって大学はもとから1年で辞めるつもりでいて、結果、当初の予定通り1年だけ通って2年間休学し、休学が確か2年しかできないシステムだったため3年目で退学しました。辞める前提とは言えせっかくだから1年間は大学に通ったのですが、数学で言えば初歩の初歩、というか、まだ大学レベルの内容でなく、2年3年と進むに連れて増えてくる専門的な内容を理解するための基礎の授業だったのに、行列のややこしいヤツとか、単射がどうとか全単射がどうとか、「前で喋ってるこの人(=教授)は一体何を言いたいんだろうか?」と腹が立ったくらいに理解することができませんでした。とにかく何が言いたいのかというと、僕の数学の学力は高校のセンター試験くらいのものしか無いから、特別に数学が得意だというわけじゃないのです。ですが、ただ数学はとても好きなのです。

 僕は「好きなモノを好きと言うこと」がとても好きで、ですからお酒を飲んだら友達だったり後輩だったりに、自分が良いと思った映画だったり音楽だったり漫画だったりイベントだったりをレコメンするレコメン上戸な節があるのですが、その流れで数学のグッとくる話をレコメンしても、大抵は数学=難しい、という先入観で全然情報を受け取ってもらえません。これは落語も同じで、音楽とか映画とかの趣味・センスは共有できてる間柄で、しかもその片方が落語に惚れて落語家をやっているのに、落語=古くさい、みたいな先入観で中々話を聞いてくれません。
 知的好奇心が無ければ無理なのかもしれませんが、僕がそうであるように、全く知らないことでも熱量があって魅力的に語ってもらったら、絶対に良さは伝わるはずなのです。それを試すべく一時期マクラで『ゆうパックの体積について』話していたことがあります。これは話の中に「微分」だとか「増減表」とか「f(b)、f(c)」とか「相加相乗平均」とか「n次に拡張する」とか、そういう高校レベルの数学用語が出てくるのですが、それを僕が心から伝えようと話すと、「意味は分からないところもあったけど楽しかった」みたいな感想を頂くことがたくさんありました。もちろん意味を理解して楽しんでくださった方々も。

 そんなことがあって、今回のイベントを始めることにしました。僕は”勉強”が得意なわけじゃありませんが、”知らないことを知ること”はとても好きです。そしてそんな方はたくさんいるんじゃないかと思います。
 『吉笑ゼミ。』では毎回、様々なゲスト講師をお招きして、その方の専門分野についてだったり今興味があることだったり好きなモノについて全力で話して頂こうと思っています。好きなモノを誰かに知られる喜びと、誰かの好きなモノを知る喜びと、そんな双方向に喜びが行き交うようなイベントにできればと思います。ご来場お待ちしております!!