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熊本#2

 勢いでパソコン買ってきた。ウィンドウズからマックへ乗り換え。特に意味はないけど何となく。右クリックなかったり、今も小さい「ぃ」を打つのに、やり方が分からずググったりと、いろいろと苦戦しながら、ま、なれていこう〜。キーボードは打ちやすい、というか気持ちいいなぁ。

 ずいぶん経ったけど、熊本でのことを書いておこう。前回は熊本駅に着いたまでだったから、そこから先を。今回は師匠と茂木健一郎さんとのイベントを八千代座というめちゃくちゃ古い劇場でやられるということで、それを見に行くことももちろん念頭にあったのだけど、それと同じくらい、熊本と言えば坂口恭平さん、ということで、坂口さんの日記やツイートに出てくる場所に行くのが目的だったりした。
 熊本に行かれる前は、高円寺に住まわれていた時期もあって、ホームページで読める昔の日記を読んでは、今まさに僕がよく行ってるような店もたくさん出てきて、アニメの聖地巡礼じゃないけど、好きな人が普段見ている景色を見たり、同じ空間を感じることが好きだから、思い切って遊びに行くことにしたのだ。

 そういえば、熊本に着いた4月13日は坂口さんの誕生日で、それは置いておいて、毎年ちょうどこの日にだけ福岡県の坂口さんが生まれた街で空海の彫った毘沙門天像が開帳されるらしく、それはそれですごいタイミングだと思ったのだけど、先に飛行機を予約していて、わざわざ熊本から福岡に移動するのは馬鹿げているから今回はパスしたのだった。

 ということで、今回の旅について、師匠の会の主催者の方に熊本市内で夜ご飯を食べられるオススメのお店と、1日目・2日目の宿泊先候補を教えて頂いた以外は何の予定もたてずにやってきたのだった。そしてガイドブックの代わりに持ってきたのは、冗談みたいなこの地図。

写真

 躁鬱日記にマップが付属されていたからこれを頼りに熊本を巡ることに。ということで駅からまずは近くにある「全日空ホテルニュースカイ」へ向かうことにした。ここの「フェリーチェ」というラウンジで幻年時代を書かれたとのことで、坂口さんが作業した場所で自分も作業しようとわざわざパソコンも2台持って行ってたので(わざわざ旅先でまで、いつもと同じ生活をしなくてもいいとも思ったけど)。
 いざ駅から歩こうと思ったらさすがに手元のマップは心もと無さ過ぎたから駅前の看板を見て確認。すると、これも坂口さんの日記にたくさん出てくる白川沿いをちょうど通って行けそうということで、駅前からのびる路面電車の線路とはお別れして、川の方へ。。。と思ったら川風が凄くて、雨も降ってて、トランク引きづりながら傘さしながらではとても歩けないと思い、断念して路面電車の線路に沿って歩くことに。
 このあたりですでに熊本が京都に似ている気がしていて、それは町名とか、古い建物が残ってる感じとか、繁華街の規模とか、川の感じとか、そういう部分でなのだけど、いちいち通り通り、路地路地を眺めながら歩き回った。普通は雨だと嫌なのだけど、翌日以降は晴れると天気予報が言っていたから、それなら雨の熊本も見られてラッキーくらいに思いつつ、てくてく。路面電車が通ってるからか分からないけど、信号の変わるスピードが遅すぎることはとても気になったけど気分よく散歩した。京都駅と繁華街までの距離と同じくらいの距離が、熊本駅から繁華街にもあって、そんなところも共通点を感じつつ。

 白川沿いにあるホテルニュースカイに到着。早速ラウンジに入るもまだ開店30分前ということで、仕方なく外観だけ見て、移動することに。
 途中、左を見たら「早川トランクルーム」の文字があった。「早川倉庫」というのは地図にも記入されている重要スポットなので、もしやと思って近づくとやっぱり!とても古めかしい建物が。門が閉まっていたので外からチラ見して、ということはこの近くにまた日記にたくさん出てくる「魚よし」という寿司屋があるんじゃないかと、少し周りを見たけど見つからず、ひとまず繁華街へ向かうことに。時間は11時過ぎのこと。

 京都で言うところの烏丸通りみたいな感じの道の先に熊本交通センターがあって、すぐ近くのドーミーイン熊本というビジネスホテルにその日は泊まることになっていたので、近くのコインロッカーに荷物を入れて、いよいよ本格的に散策開始。
 京都で言うところの寺町とか京極みたいな感じの繁華街がアーケードになっているところをひとまず歩くことに。入ってる店はほとんど京都と変わりなく、というか店の感じは難波とかに近いかなぁなどと思いつつ、何より道幅の広さに驚く。京都で言うところの四条通り分くらいの道幅がアーケードになっていて、しかも午前だからか人もそんなに多くなく、とても気持ちよく歩くことができた。
 ベスト電機のところを左に曲がる。右側はアーケードが無くなって、シャワー通りと呼ばれる並木道になっていて、こちらも後で訪れようと思ったけど、ひとまずアーケード沿いに歩く。空港からのバスで見た現代美術館も発見して、これで熊本市内の規模が把握できた感じ。やっぱり京都くらいの大きさでちょうどよい。
 しばらく歩いたら右手に「蜂楽饅頭」を発見。地図に書いてあるお店で、なんか日記でも出てきた気がするのだけど躁鬱日記をパラパラしても見当たらず、あとで、アオちゃんがかき氷を食べるところだと分かったのだけど、ひとまず通過。左に「長崎書店」発見。イベントスペースも併設されているとのことで、京都で言うところの恵文社的な感じを想像していたら、パッと見はわりと普通の本屋さんで驚いた。とは言いつつ、店内にギャラリースペースがあったり、イベントフロアのある建物2階は壁の感じとか入っているお店の感じも素敵でとても気持ちの良い場所だった。長崎書店沿いにお城の方へ向かう道にあった小さな服屋数件がどれもいい感じだったのも印象的だった。

 長崎書店から先に少し歩くと、アーケードが終わった。代わりに並木道が始まったのだけど、これはもう京都で言うところの木屋町通りで、雨の匂いもよくめちゃくちゃ気持ちよかった。地図によると途中に「PAVAO」という喫茶店と、「近藤文具店」があるはずなのだけど、見当たらなかった。京都で言うところの丸太町通りのような道に出て、さてひとまず地図の上半分を歩いたけどどうしようかなぁと考えて、近そうだから「野崎」といううどん屋を探そうと思い、左に曲がって歩き始めた。
 そうしたら1ブロック目で「らしい」看板が見えて近づいたらやっぱり野崎だった。時計を見たらちょうど開店2分前ということで、ここで昼ご飯を食べることに。開店待ちしていると店員のおばちゃんが驚きながら出迎えてくれた。中に入ると、なるほど、これは気持ち良いお店だ。座敷のスペースもいいし、上もあるのかな?お酒もたくさん並んでいたから夜にいっぱいやるのも良さそう。ということで「かけうどん・あつあつ」に鳥天と温泉卵をトッピングしたものを注文する。出てきたうどんは美味しかった。柚子胡椒もついてきてラッキー。食後、トイレに行こうと思ったけど、トイレのドアが引き戸で、とても固くて、それが鍵がかかってのせいなのか、元々それぐらい固いのか分からなかったから断念したりしつつ。
 で、地図上では近くとされている、「夏目漱石旧邸」へ向かう。アオちゃんが通っている幼稚園と零邸跡も見つつ。グルーッと回って再び木屋町通りみたいな通り、確か並木坂だったかなを経由して、これまた幻年時代を書かれた仕事場の1つのホテルキャッスルのラウンジ「九曜杏」へ。ここは空いていたので無事に店内へ。思っていたより値段が安くて、もちろんラウンジだから清潔感もあって、なるほど良い作業場のようだった。ということで僕も1時間ばかり作業をすることに。

 九曜杏を出て、熊本城を散策することに。雨が降ってるから本格的に見るのは最終日でいいかなと思い、ひとまずぐるっと歩く。実家の近くにも二条城があって、二条城のまわりは平坦な道で1週1.8kmとちょうどいい距離ということもあって、よく走ったりしたのだけど、熊本城周りを走るのはとても無理そうだった。高低差もあるし、何しろ広い。というか熊本城でけー、と思いつつ、外周をてくてく。雨も降ってるのか降ってないのか分からないくらい小雨になって、緑の匂いも濃くなって気持ちよかった。途中に美術館があったから入ってみた。ピカソ展。わざわざ熊本でなくても東京でも全然見られそうだったけど、ひとまず。ふむふむ、と見て、外へ。お城の駐車スペースにとても大きな木が2本立っていて眺めたりした。

 ホテルのチェックイン時間になったから、ひとまず向かうことに。一泊4000円なのに十分きれいで、しかも屋上に温泉付き、ということで、ほくほく。ひとまずお風呂に入る。平日だったこともあり、こんな時間から人などいるはずもなく貸切状態で露天風呂まで満喫して、夜ご飯を食べにまた繁華街へ。
 今度はベスト電機の角を右に曲がってシャワー通りへ。うん、並木道で気持ち良い道。日記にでてくる「パーマネントモダン」という洋服屋を発見するも、モードモードした雰囲気におののいて、そのまま通り過ぎることに。
 ちょうど、紹介して頂いたお店が近いということでもう一度並木坂通り方面へ行ってPAVAOを探す。ローソンを左に曲がったところに見落としてしまいそうな看板を発見。なるほど気持ち良さそうな建物。おそるおそる2階へ上がるもイベント中ということで店内には入れなかった。

 夜ご飯は「上の裏馳走 こだま」というお店。前回熊本にいらした時、師匠も来られたらしい。聞いていた通り、どれもおいしいけど、安い。お刺身も美味しかったけど、馬刺が特に美味しかった。タテガミ?の部分、油のやつ、も着いてて、それの甘さったらなかった。そして獺祭など日本酒も安くかった。
 たくさん食べて飲んでほろ酔いで並木坂を少し歩いて、あとはアーケードに沿ってホテルまで行って、お風呂に2階入って寝た。

 観光らしいことほとんどしてないけど、普段の熊本を満喫できた気がする。