2014.04.19 Sat
日常
楽屋ばなし#73コメンタリー
前回は結局飛ばしてしまったのだけど、毎週土曜日は楽屋ばなしコメンタリーのつもりなので、今日も、そう。例によって音源を聴きながら時系列に沿って書き殴っていくためネタバレ必至なので、先に音源を聴いて頂いてから読んでもらえればと思います。
春吾・吉笑の楽屋ばなし#73(カレー)
http://gakuyabanashi.seesaa.net/
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収録前。ちょうど本当に生まれて初めてカレーを作った頃で、作りながらかどうかは忘れたけど『カレーが寝ない』という状況を思いついたのでメモ帳にストックしておいて、それをこの収録の時に使った感じ。僕の場合そういう閃きをまずは、江戸時代っぽくやれるかどうかで選別するようにしていて、江戸の世界観でやれそうな場合はネタに昇華させるようにしていて、そうでない場合は楽屋ばなしで使うようにしている。この場合のカレーは、江戸時代ではできそうにないから、こちらで使うことにした。
実はこのカレーの話を落語のマクラですでに2回やったのだけど、こっちで話したのが一番最初。当然楽屋ばなしはアドリブで話し合ってるから、マクラの方が少し構成を工夫したりしている分聴きやすくなっているとは思う。
楽屋ばなしでなく、マクラで話す意味、というのが最近自分の中で固まってきたのだけど、それは別にコメンタリーで書かなくても良いことなのでまたの機会に。
『カレーが寝ない』というワンシチュエーションで話し出したのだと思って聴いて頂ければと思います。では音源再生。
話し出し。当たり前だけどこの時の兄さんはまだどういう話しをされるのか想像すらできていない状態で、僕もあえて導入を丁寧に喋ることでちょっと圧力を加えようとしているところ。相手がどんな話をするつもりなのか分からない状態で相槌を打つのってとても緊張するので、わざとそれをブーストしてみようと。
キーワードになりそうな要素を色々だしていくけど、全然、話が進まないすかしの様なものをやってるところ。作ってる描写とかのとこ。
作り方は本当にそうやって作ってて(具とルーを別々にやる)、そのあたり細かく描くことで何か話が始まりそうだけど、何も始まらない、という少し緊張感ある時間を長めにとっているところ。自分としてはそろそろ本題に入るつもりだからワクワクしながら喋ってる。
さらりと、でも確実にフリとして成立するトーンで『一晩寝かしたカレー』の話をし出して準備完了。さて、楽屋ばなし、よーいドン、と言った心持ち。
マクラでやってるのに比べたら、幻への入り方がぬるっとしてて気持ちよくないけど、それはまぁ即興でやってるから仕方がないとして、とにかく『起きてる』と言った時点でもちろん兄さんもどうしたいか汲み取ってくださるから、ここからスタート。
箱の説明書きのクダリは本当に体験したことで、8欠片ある内の6欠片使って、そしたら箱が真ん中で分離してコンパクトに収納できるようになっていて、その後に具材の分量を調べようと残ってる箱を見たらちょうど切り取った側に分量が書かれていたみたいで、しかもそれはもうゴミ袋にまとめちゃってたから、、、というのが頭に残っていて、妙に細かいディテールになっているのだと思う。
「寝かしつける」という兄さんの切り口で、一気にイメージが広がったなぁ。「夜だめなら昼寝かす」っていう言い草も良い。
「知らないヤツ呼んでて」は面白い。マクラで喋ってるときは完全に擬人化してるけど、この段階では「鍋(の中身)が増えてて」という僕の言い分から分かるようにカレー状である感じも残している。ちょっと画が想像しにくいからマクラで話すときはまるで人間みたいな体がある感じまで擬人化しているのだけど、知らないカレーが来ていることを鍋の中身が増えてることで気付くのは面白い。
「風呂入ってから寝たい」というカレーの言い草はいいですね。笑ってしまった。兄さんの「好きだからねェ、水戸黄門とか」も笑った。好きなんだ勧善懲悪モノ。「あらすじ書きながら見てる」は蛇足。不条理さを増そうとしたあざとさが出てしまっている。
「寝なくても大丈夫なやつ」は面白い。こういう感じで、状況が飛んでる分、細かい描写はリアリティある方が逆に歪な感じがして面白い。
で、ここからなのだけど、このあたりで、「睡眠薬を飲ます」というギミックを僕は思いついて、これを言って〆ようと思っていたのだけど、聴いてもらったら分かる通り、兄さんも睡眠薬に辿りついておられたのだった。
で、兄さんに「睡眠薬」を言われてしまったから、ちくしょーと思いつつ、話を一気に奪って最後のくだりに持っていったのだけど、この時点で僕の頭の中では、「睡眠薬入れたら、カレーが寝てくれて、おいしくなった。ただ、それを食べたら自分も寝てしまった」というマンガチックなオチだなと思い込んでしまっていて、実は兄さんは後で聞いたら、「睡眠薬入れ過ぎて、翌朝カレーが死んでた」という流れを想像しておられたようで、確かに死んだ方が面白い。だからマクラの時は両方の流れを使ったりしている。
オチに向かっていく最中、これは僕の弱点なのだけど、もうゴールが見えると、ボケてる途中からニヤニヤしてしまうクセがあって、というかこれはボケとしては致命的なのだけど、それでも笑いをこらえることができずにこんな感じになったのだった。
もちろん兄さんも僕の進めたい方向は理解してくださっていて、しかも兄さんも結構笑われる方なので、結果、なんというか、二人でじゃれ合ってる感じになってしまったのだった。
わ、と思いながら実際の音源聞いたら、気持ち悪っ!!ニヤニヤし過ぎ(笑)
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マクラの方を聴いてくださった方はこの即興での内容をどう組み立ててより分かりやすくしていったか違いが分かって、いつもより楽しめたんじゃないでしょうか。色々と足したり整理したりしたのだけど、昨日の一門会verで新たに増えたのは、隠し味にコーヒーを足したから寝なくなってしまった、という無駄な理由付け(笑)
てな感じで、楽屋ばなし今後ともよろしくお願いします~。