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楽屋ばなし#70コメンタリー

ということで、ギリギリになった、かつ、1日遅れましたが楽屋ばなしのコメンタリーです。
例にもれずネタバレばかりなので音源を聴いてから読んで頂ければと思います。

春吾・吉笑の楽屋ばなし#70(お花見)
http://gakuyabanashi.seesaa.net/

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[収録前]
 兄さんが話し出す。そして花見の話。というところだけ決めて収録を始めた。どんなずらし方で行くのかなぁと兄さんの出方を探りつつ、確か僕としては「花見している場所がおかしい」という流れを提案しようかなぁと考えていた気がする。

[収録開始]
 いざ取りはじめたら、「天気が良くて」「桜もきれい」という流れになったので、「花見だけど桜じゃなくて全然違う花を見ている」という線が消えたり、僕の口ぶりも「ありがとうございます」と感謝していたりするからそんなにむちゃくちゃな花見じゃ無さそうだなぁ、どうしようかなぁ、と思いつつの冒頭部。
 
兄さんが出してくれた「場所取り」というのも何か面白く展開できそうだと思いつつ、そのあたりで、「そうだ、夜にしよう」と閃いたと見えて、「場所が良い」とか「人もいなくて」とか持ち上げる流れに持っていきつつ、「時間がおかしい」と問題提起している。アドリブで喋ってるから色々考えてというわけじゃないのに、改めて聴き直すと自分の思惑が手に取るように分かって面白い。

 「昼間の方が良いんじゃないですか?」という僕のセリフで兄さんにも意図が伝わって、さぁここからどう広がっていくかなぁ、と言ったところ。「灯りがある方が見えやすい」みたいな兄さんのセリフ、当たり前のことを言ってるだけだけど、面白い。というか僕は好きだ。そりゃそうだろ、と。
 「5時」の場所取りを「17時」にしたいというのは僕のエゴが出てる。兄さんは朝から場所取りしてる、という流れでいこうとされていたけど、押し切ってまで17時に僕が変えた。夜中の場所取りのために朝から場所取りしてる、というのも面白いけど(この展開だと、みんなが来るまでに兄さんは花見を満喫したからもう飽きてるみたいな進み方にいけそう)、僕のツボとしては「5時から場所取りしてる」と苦労話みたいに言ってるけど17時からだという流れの方が魅力的だったからガタガタっとしつつもそっちへ進めていった。

 途中から頭の中にはっきりと薄暗い中での花見の様子が浮かんできたから、お弁当の「何が何だか分からない」とかも自分としてはしっかり絵が浮かんで楽しい。そこの「ほとんど卵焼き」の部分、普通なら「何でそんなことになったのか」掘るべきだろうけど、たぶんそういう枝葉のような部分に進んでいくのが僕はあまり好きじゃないんだろうと、いま思った。よりかは、「夜中に花見をしている」部分に寄り添った方向で話をしていきたい、という。

 兄さんに感謝しつつ、遠回しに夜中ということに苦言を呈すという流れは、すぐに二人で共有できたから、ああいうところはミニコントみたいでやっていて気楽だし楽しい。「何か足りないものとかあった?」という兄さんの言い分がさすが。「日差し」と気持ちよく言わせてもらった。

 聴いてもらったら分かるけど、このあたりで外から雀の鳴き声が聞こえてきて、そこからインスパイアされて鳥の鳴き声の話をし出したけど、たぶん当時の自分は「外の音からインスパイアされてる」と思われるのが恥ずかしいと感じていたとみえて、楽屋ばなし中では「鳥の鳴き声をききたい」みたいな方向に持っていったけど、これは雀の声を活かした流れにしたほうがオーディオドラマみたいな感じになって良かったはず、と反省。

 この流れで唐突に味噌汁の話をするのは兄さんのセンスだなぁ。僕はもう終わったくだりと認識してるから絶対ださないけど、そのあたりの会話がリアルで面白い。そのあたりで兄さんがちょっとキャラ乗せてきて、僕も否定的な方向で足場が固まってきたからスムーズに話せてる。「カラスがたくさん鳴いてる」とか「朝刊配達のバイク」とかは、画が浮かぶと面白い。イメージでは朝もやの中、小高い丘の頂上に大きな桜の木が一本あって、その下で自分達のグループだけ花見をしている感じ。その画を俯瞰で眺めつつ、このあたりは喋っていたなぁ。

 最後の「場所取り」のくだりが入って締まった。周りが盛り上がってるなか場所取りしている画と、こっちが花見を終えようとしている時に周りに場所取りの人がいる、というのは面白い。最後のくだりがハイライトになったから、気持ちよく終われた。