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負い目2

 結局、楽屋ばなしの更新はしていない。ブログを更新したあとお腹が空いてコンビニに夜食を買いに行き、食べたらお腹がいっぱいになって、そのまま寝た。午前中、目が覚めて、布団の中であれこれ考える。こないだ打ち合わせをしたとある企画でやる予定のネタが、短いとは言えかなり難しいネタでもあって、それが頭に引っかかってるのか、夢の中で、そのネタを得意とされてる談春師匠の前で実際にやらなくちゃいけない機会があって、そこは大学の教室みたいな場所で前に談春師匠が座ってらして、順番にみんなが1席やっていくのだけど、他の人がやってる時に頭の中でネタをさらおうとするのだけど全然思い出せなくて、どうしようか、別のネタをやろうか、でも逃げるのはよくないし、などと自問自答している時に目が覚めた。起き抜けに軽く諳んじてみたら夢の中ほどは忘れてなくてまずまず出てきたからホッとしつつ、その流れでそのイベントの演出方法などが出てきたからばーっと1時間くらい考えた。こういう風に起き抜けに半分寝ながら考え事をするのが好きで、というか、普段よりも色々と思いつきやすいので結構やっているのだけど、問題点は忘れてしまうことが多いことだ。マクラ元にメモを置いてあるから、よっぽどの場合はメモするけど、基本的にメモをしちゃうと頭が冴えてしまって、もうこの半分寝ながら考えるということができなくなるから極力メモをしないのだけど、そうすると、その後起きてしばらくすると何を考えていたのか思い出せなくなってしまう。とはいえ、頭の中に結構いいアイデアが出たという実感は残っていて、そのアイデア自体もちゃんと思い出そうと努力すればいずれポンと思いだせるから問題は無いのだけど。ということで、今朝思いついたことのいくつかはまだ思いだせていないままだ。そしてこの技を使うことのネックはもう1つあって、半分寝ながら考えていると必ず最後はまた寝てしまうことだ。ということで今日も2度寝。して11時くらいにまた起きた。昨日早く寝たから今日は早く起きて動こうと思っていたのにもう昼前で早くも負い目が溜まる。部屋が暖まるまでと暖房をつけてからユーチューブで放送室を聞くも、気がつけば1時間丸々聞いてしまう。負い目がまた貯まる。その後、本格的に起きて、ゆるゆると用事を済ませているうちに15時。もうしばらくしたら師匠の会へ勉強に伺う時間なので今日は何にもしていない。負い目追加。そして、まだ楽屋ばなしの更新をまだしていないから負い目プラス、同じく昨日書いた負い目のどれ一つも解消できていないからその分倍付でドン。という風に負い目が溜まって首が回らなくなってしまう。これが1つ解消し、もう1つ解消し、とやると、一気に流れが変わって途端に負い目を無くすことができると分かっているのだけど、気が乗らない。体たらく。
 ツイートをみてると九龍さんが春吾兄さんの会に行かれたそう。本当はミラクルの方がよいのだけど、それを伝え忘れてしまった。「誰か面白い人いる?」と聞かれていつものように何人かの先輩を上げたうちの一人。それにしてもフットワークが軽くて本当に凄いと思う。そういや、志ん八兄さんとの会の打ち上げで僕が笑二のことを褒めていたら『弟弟子の事をそういう風に言えるなんて器が大きいね』というようなことを行ってくださったけど、どちらかと言うと僕は自分が褒められるのが好きだし、嫉妬するし、周りを出し抜いて自分だけ成功したいとすら思っているから全然器など大きくないと思う。そだ、九龍さんしかり、周りの人に自分以外の落語家さんをオススメするのも、前、ある先輩から『そんな自分の得にならないことする意味なんかないだろ』と言われたっけ。確かにそうで、自分が褒められたい僕は、他人が褒められていると嫉妬しちゃうし、精神衛生上良くないのから矛盾しているのだけど、一方で自分の事を面白いと思ってくれてる人には、自分が面白いと思うことを伝えたくなる自分もまたいる。だから自分の得にはならなくても言わずにはいられないし、今までも方々で色々な落語家のことを頼まれもしないのにレコメンしてきたし、これからもしていくのだろうと思う。本当は自分がダントツで1番面白くなれたら、胸を張って自分をレコメンできて、それで自分が褒められてと、めちゃくちゃ幸せな流れになるのだけど、現状そうじゃないし、とにかく面白いモノが好きな自分としてはそうじゃない以上、面白いモノをきっちり伝えていくのは義務でもある。そういや、師匠もそういうところがあって、僕がまだどなたに弟子入りしようか悩んでいた時期に、落語会やその他至る所で、「今一番面白いのは志の輔師匠です」と自分以外の落語家をレコメンされてて、そういうところに共感できたことも師匠に入門するに至る決めてになった。確かに普通に考えたらそんなこと言っても自分は何の得もしないものな。たぶん師匠は自分の損得じゃなくて落語界の損得で考えておられるのだと思うし、一方で僕は落語界の損得でもなくて、面白いことにとっての損得で考えている気がするけど。とはいえ、同じように、自分が褒められたい、自分だけが得したい、と思っているのもまた自分で、今日は師匠の下北での会がある。この会は師匠の会では珍しく開口一番があって、ということは笑二が師匠や師匠のお客さんや広瀬さんの前でネタをやれるということだ。僕が前座の時はこういう機会がとても少なかったからほとんど師匠のお客さんの前でネタをやれることが無かったこともあって、こういう機会で笑二がウケて褒められて、というのを見るのは気持ちよくない。特にこの会は太鼓とかも僕がやるべき仕事はほとんどないからただ舞台袖にいて、汗すらかけないのでその消化不良感というか、モヤモヤした感じになるのは毎度だ。
 それも含めて、とにかく自分は高らかに謳いながら進んでいくのが向いているようだ。だからこそやるべき事をきちんとやって、きちんと地力も身につけて、何の負い目も感じることなくやっていけたらと思う。