2014.01.09 Thu
日常
こんにちわカルチャー、よろしく伝統芸能。
昨日は日暮里寄席。持ち時間が思っていたより5分短かったので想定していたのと違うネタをやったら短くなりすぎて2分残してしまった。むむむ。終演後はトリの左談次師匠に打ち上げへ連れて行って頂く。前座さんは翌日の準備をしてから合流するため、それまでの間は一番香盤が下の僕がドリンクを作ったりしていたのだけど、前座さんの中でも志ら松くんという志らく師匠のお弟子さんが前衛として早くに合流してくれたので後を任す。志ら松くんはクラスメイトなら友達になりやすそうな根暗っぽい雰囲気なのだけど、加えて只ならぬ空気感をまとっているので未だにどういう感じの人なのか掴みきれていない。とにかく自分の空気ががっちりできていて、ワイワイ社交的に、というタイプでは無さそうなのだけど、この日も合流してからの一挙手一投足が、こういう打ち上げがほとんど初めてだったことによる緊張も加わってTHE挙動不審で、見ていてとても楽しいのだった。合流したての時、ちょうど師匠方がビールの話をされていて、どこのビールが好きだとか、ここのは苦手だとか、そういう流れで談幸師匠が「あたしはスーパードライが一番好きです。あとは一番搾りかな」というようなことをおっしゃっていたのだけど、その時に合流したての志ら松くんが談幸師匠に何か指示をされたような感じでうんうん、頷いていたのだけど、どう考えても談幸師匠は左談次師匠と会話をされているから、これも挙動不審の一種かなぁ、などと思っていたら、しばらくして志ら松くんがスーパードライと一番搾りを持って談幸師匠の元に現れたのだった。寒かったから師匠方は芋焼酎のお湯割りを飲んでらしたのだから、このタイミングでビールを2種類発注されることは考えられない、と落ち着いて考えたらわかるのだけど、そこが志ら松くんらしさなのだった。僕がそういうしくじりをしたら場の空気が変になってしまうと思うのだけど、志ら松くんのほんわかした人柄の前ではそういったしくじりで一気に空気が和むのだった。おかげで彼は一躍打ち上げの中心へと躍り出たのだった。
というようなエピソードを夕方志らら兄さんにお話ししたのだけど、文章ですらまだ整理できていないくらいのものだから、長い時間かけた割には着地も何もかもゆるく変な感じになったのだった。それにしても、ここしばらく、毎日のように志らら兄さんから電話が掛かってくる。前も書いたけど、そもそもはラジオのインタビューの練習に、という名目だったのが、ラジオの収録が終わると、新年会の大喜利の練習という名目に変わり、新年会も終わった今は、なぜか知らないけど、電話がかかってくる。電話で話すぶんには問題ないけど、何を考えておられるのか、たまに、ワンコールを5回連続されてきたりするのは、意味が分からない。ちょっとお風呂に入って戻ってきたら着信15件とか、少しずつ事件性を帯びてきているので、そろそろ何とかしてもらいたい。
などなど、ずいぶん志らく一門の方に脳みそを持ってかれてる影響、、というわけではないけれど、今日は志らく師匠の会へ勉強に伺った。以前は定期的に伺っていたのだけど最近は日程がなかなか合わず、ようやく伺えたのだった。大好きな志らく師匠の茶の湯が聴けてホクホクした。ピーターとジョナサン、が凄すぎる。などと、お客さん気分で楽しんでしまった。今年は師匠方の会へどんどん勉強へ伺おう。落語に改めて心ときめかされたいと思っているからなんだけど、こういった時、立川流にいると、本当に助かる。師匠方はもちろん近しい先輩方含めて、心ときめかせてくれる方がたくさんいるから。
まだ今年始まったばかりだけど、やっぱり軸になる会、というか名刺代わりになる会を早く立ち上げないとなぁと思い始めている。予定では今年は今まで以上に初めましての方が会にいらしてくださる機会が増えるので、というか増やすべく動いていくので、その時に、一番その人にあった会で自分と、そして落語と、出会って頂けるような仕組みを作らないと。
『こんにちはカルチャー、よろしく伝統芸能、ゆくゆくは大衆芸能』というのが今年以降のスローガンだと先日ツイートしたけど、日曜日に出させて頂くラジオのタイトルが『ポップカルチャー新年会』と知って、やっぱりなと思っている。自分はもとよりそもそも落語がポップカルチャーだとは認識されていないのが現状だし、ほぼ全ての落語家が落語をポップカルチャーだと認識していないとも思うのだけど、ぼくは落語のある部分はポップカルチャーだと思っていて、というかポップカルチャー足り得ると思っていて、その補助線を自分が引ける、とまでは思っていないけど、補助線をひくための補助線くらいなら引ける気がしているので、とにかく進んでみようと思っている。文脈が違うから当然だけど、何をやってるのか、それをやってどうなるのか、中々周りからは理解してもらえないしむしろ相手にされなくて悔しいけど、それでも好きなことを好きなようにやる方が健全な気がしている。ちょっと前まではその差にイライラしてしまうことも多かったけど、最近は見ている景色が違うんだ、と他人事みたいに思えるようになってきた。だからこそ、極端に舵を切る今年からは。
一方で、よろしく伝統芸能。そっちにも今まで以上に極端に舵をきるつもり。こっちの軸は3月から始めたいなぁ。