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笑笑

[告知したいこと]

1月10日(金)19時15分~
立川談笑一門弟子勉強会@高円寺・庚申文化会館
出演:吉笑、笑二(2席)、笑笑

1月31日(金)19時~
立川談笑一門会@吉祥寺・武蔵野公会堂
出演:談笑(2席)、吉笑、笑二、笑笑

詳しくはスケジュール欄をご覧ください

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 昨日が仕事納めで、年末特有の解放感が当然あるししかも笑二の昇進日も決まったりして何だか気持ちが高揚していたから、iki-baでの打ち上げが終わり、3人で帰ってきた高円寺は萬感(バルサミコソースのオムライスは僕が知ってるオムライスで世界一うまい)で飲み直して、2時とか3時に帰宅してから、寝ずに起き続けてみた。ぼんやりしたりスパイダーソリティアをやる合間に来年のスケジュールを更新したりの作業をしながら。
 もともと夜型の人間とは自覚している。どこで身に着けた価値観かは分からないけど、夜中に寝ると勿体ないという強迫観念に近い思い込みがあって、陽が昇り始めてから寝て陽が一番高くなるくらいに起きる、という感じの6時間睡眠を自分のデフォルトにしていてのだけど、それが夜型とすら思わずに普通に寝て起きてしていたら、最近はさらにそこから夜型化が進んで?陽が昇り始めても全く眠たくなくなってきた。なので一体自分の体内時計はどれくらいズレているのか検証しようと、眠たくなるまで寝ないでおいてみたのだ。6時になって陽が昇っても眠くならず、8時になっても眠くならず、11時頃にようやくうとうとしてきて、12時30分くらいに完全に寝たらしい。ということは10時間くらい体内時計がくるっているのだから、これはかなりの時差だなぁと思った。
 本当は6時間以上寝たいのだけどこの日は映画を観に行くつもりでいたから16時30分に無理やり起きて準備して出かけた。IMAXシアターへゼロ・グラビティ。ゼロ・グラビティの評判は本当に至る所で聞いていて、どれくらい至る所かと言えば好きなモノが近い友達はもちろんのこと、こないだなんかはたまたまた入ったカウンターしかない小さな喫茶店で、僕以外の唯一のお客さんがマスターに「ゼロ・グラビティ、面白いよ!!」と力説していたくらいに至る所だ。IMAXシアターは初めてだったのだけど、まずスクリーンが大きすぎてギョっとした。そこで始まったスパイダーマンとかの予告編は確かに大迫力だったけど、3D映画としてはレイヤーコンセプトがめちゃくちゃハマっていたフラッシュバックメモリーズを観ちゃっているから特になんとも思わなかったけど、いざ始まった本編はなるほど噂どおり凄かった。コンセプトなど断片的な情報はすでに知っていたから大体の感じは想像通りだったけど、それでもやっぱり映像の綺麗さと宇宙空間の表し方とかはめちゃくちゃグッときたし、しかもこれは想定外だったけどそういったギミックの凄さ以外に、きちんと物語としてふんだんに起伏があったから、これはもうたまらんのだった。今の所ギミックばかりが先行していて、物語としての起伏なんか考えてすらいない自分の落語の作り方を、同じ1つの娯楽として考えたらこれはダメだよなぁ、などと思わされたりもした。
 お酒を飲んで1時くらいに寝て、5時すぎに起きた。今は6時。ブログを書こうとパソコンを開いて少しネットサーフィンをする。笑二のブログが更新されていて、これは昇進の内定を頂いてから初めての更新なので当然だと思うけど、いつになく熱い内容になっていた。それは良しとして笑笑のブログもなぜか熱くて笑ってしまった。3人揃って何をやっているんだ、この一門は。

 師匠じゃない分際でこんなことを書くのはどうかと思うけど、笑笑は、”僕が思う”師匠が求める波動というかチャンネルというかと自身のチャンネルが決定的にズレている。僕は、”僕が思う”師匠の求めるチャンネルとピタリと一致している自信があって、そんな僕と性格も趣向も全然違う笑二も、”僕が思う”師匠が求めるチャンネルにチューニングできていると僕は思っていて(僕が思ってばかりだけど)、ようは性格とかの話じゃなくて、それ以前のもう少しコアな部分なのだと思うけど、そこはとにかく談笑の弟子でいるためには師匠の求めるチャンネルにしっかりチューニングできていないと厳しいんじゃないかなぁと思っていて、それが笑笑は今のところズレている気がしている。(まぁ、どの一門でも師匠の求めるチャンネルに合わせる必要があるのだろうけど)
 僕はたまたま自分が心地よくすごせるチャンネルが師匠の求めるチャンネルに近かったから違和感なくチューニングできたし、だからこそこれまで弟弟子のチューニングがズレてると思ったらそこを指摘して、そうしたら誰もがチューニングできるものだと思っていたけど、笑笑を見ていたら、もしかしたら僕と笑二がたまたまチューニングできただけで、できないことがおかしくない事なのかもしれないと思ったりした。
 チューニングできているか確かめられる一番の出来事は「よしなにしておいて」という種類の指示をされた時で、要は「いい感じにしておいて」と抽象的な指示をされた時に、指示した人の思っているいい感じと、自分の思ういい感じが一致しているかどうかということ。で、これが僕と笑二は基本的には一致できていて、もちろん笑二は大らかな性格で、僕は神経質な性格だから、その間にズレはあるし、僕から見たら雑だなぁと思うことがあったり、笑二から見たらみみっちぃなぁと思うことがあったりするのだけど、それは性格の問題で、コアな部分はズレていない。
 iki-baでの会の開場時に、お客様の入り方が想定より多かったから席数が足りるかチェックしなきゃなぁと思いながら着物に着替えていた。同じく笑二もそう思っていたようで、笑笑に「イスの感じみといて」というような指示をしたのだけど、直後に「イスの数が足りないかもしれないから、足りない場合は少し増やしておいて」と言い直した。その光景がとても印象的だった。話は少し前に戻るけど、これまでも兄弟子として当然そういうチューニングのズレに気付いたら修正してきたし、こういう場合はこうする、こういう場合はこうする、っていう判断基準を1つずつ積み重ねていくうちに、人は誰でもチャンネルを合わすことができると思っていたのだけど、笑笑を見ていたらそれができないことがおかしくない事なのかもと思えてきた。
 笑笑は人よりも気が使えるし頭も悪くない。だから僕がこの場合はこうするのが良い、と教えると次から必ずそのように処理できる。そんな笑笑にこれまで何回も”僕が思う”師匠が求めるチャンネルというのはこういう感じだ、と伝えてきた。そして笑笑もどういうチャンネルかは理解できていると思う。それなのにどうしてもチャンネルがズレるということは、僕と笑二がたまたま師匠のチャンネルに合って、師匠がたまたま家元のチャンネルに合っただけなのかもしれないんじゃないかと。

 で、それを昨日、直接笑笑に言ってみた。僕が思うに笑笑は「よしなに」という指示をしたら見事にいつも裏、裏を選んでしまうし、本人もそうだと自覚できているようなので、ということは、1回ガシャンとチューニングをずらしてしまったらあとは見事にいつも表、表を選べるんじゃないかと思っていて、だから何様かと思われるだろうし、というか”僕が思う”師匠のチャンネルで判断すると、師匠じゃない立場の分際でそんなことを言うのはおかしいしのだけど、笑笑が悩んでいるのも、頑張っているのもよく分かるから、真正面から言ってみた。
 年末感だとか、僕と笑笑のバイオリズムとか色々なことが合致したからそうなったのだろうけど、今までにないくらい僕は思っていることを伝えたし、アドバイスもした。だからだろうけど、笑笑も今までにないくらい思うことがあったみたいで、悩みの根本が同じ種類の僕も、笑笑にアドバイスしながら自分がまずは変わらないとなぁと思ったし、お互い頑張ろうというような感じで別れた。店を出て逆方向に歩き出して数歩、笑二と後ろを振り返った。”僕と笑二が思う”師匠の求めるチャンネルで判断すると、濃い話をしたこの日は店を出た場所でしばらく見送るべきだと思うのだけど、笑笑は見事に自分の家へまっしぐらだった。そしてそれが、近しい先輩だから「気を使ってます!」感を出さずにしようという、”笑笑が思う”師匠の求めるチャンネルで判断した結果だと手に取るように分かったから、「安定して裏目に出るなぁ」と笑二と笑いあった。
 僕たちと別れたあと、そして今日の夜中に、それぞれ更新された笑笑のブログはいつもと違うテイストになっていた。そしてやっぱり、見事に”僕が思う”チャンネルとはズレていた(笑)それでも僕は、ブログを始めてから色々考えて工夫して色々考えて方向性変えてしてきた彼のブログの中では一番好きな内容だ。勘違いされやすいけど、笑笑は驚くくらい不器用で真っ直ぐだから、もう行ききればいいのだと無責任ながら僕は思う。

 正解を書けば、「その日したこと、感じたこと、今自分が取り組んでいる課題、できるようになったこと」「前座ならではの大変さ」「やりたい事に向かって頑張れている人間ならではの楽しさ」というような事を「卑屈になりすぎない、でもポイントは抑えた文体」で「毎日」書くというのが師匠が求めていることだろう。テイストが変わった笑笑のブログはこれらの真逆と言っていいようなモノだけど、それでも、いっそこのまま突き抜けたら、不思議とそれもありになってくるんじゃないかと僕は思っている。何より、変わろうと必死になってもがいているだけでも僕には十分輝いて見える。頑張れ!!や、一緒に頑張ろう。