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分速60.5文字

 朝、というか昼頃、今日も玄関からのチャイムで目が覚める。昨日と同じく宅配便だと思い、昨日と同じく自分の荷物じゃないと判断し、昨日と同じく居留守をした。今日は隣に笑二がいそうな気配がなかったので、僕が居留守を決め込んだ時点でこの家は留守宅に変容したのだけど、これもまた昨日と同じくなかなか根性のある配達人さんだとみえて、ピンポンの回数が尋常じゃ無かった。確かに10階まで上がってくる苦労を考えると何とかここで荷物を渡してしまいたいと思うのだろうけど、それにしても同一人間があんなに連続してチャイムを鳴らせるのか、というくらいのピンポン攻撃で笑ってしまった。師匠の会へ向かおうと家を出た時に郵便受けを調べたら案の定不在者用の控えが入っており、送り人を見たら案の定、白夜書房からで、すなわち僕宛ての荷物だった。今日もやってくれるぜ、守護霊。
 配達人さん、すみません。守護霊さんもすみません、明日からは居留守を使いませんから堪忍してくださいと念じながら国立演芸場へ。赤坂見附から永田町に向かっている途中、半輔兄さんとばったり。爆音で落語を聴きながら夢中で歩いていたので全然気づかず、どうやら何回も兄さんが呼びかけてくださったようだ、おはようございます!

 師匠の月例独演会は蔵前駕籠、長短、野ざらし、しじみ売りの4席だった。押し気味の師匠にしては珍しく前半2席で40分くらいのコンパクトな構成だったのだけど、それが何だかグッときた。長短は、従来の形とは違ってどちらも口調自体は早いから初めて聴くお客さんが「?」と思われる空気がとても好きだ。スローにするのじゃなくて寄り道が多い、と解釈する方が自然だものな。久しぶりに叩いた仲入り太鼓は〆にテンポを合わせることができず、転倒してしまった。とほほ。
 しじみ売りはネタおろし。個人的には志ん生師匠と志の輔師匠の音源しか聴いたことがない、あまり馴染みの無い演目だったのだけど、なるほど思いがけない演出が施してあって、師匠の仕事だなぁとこれまたグッときた。芝というワードで引っ張られたのだろうけど、途中の1シーンをきっかけに展開がグワーンと見えた気がしたのだけど、実際は僕が想像した展開にはならなかった。とはいえ、その想像した展開の1ピースが直後のシーンに挿入されたのでギョッとした。もしかしたら師匠も1度その線は考えたけどボツにされ、その残り香があのシーンに漂っていたのかもなぁ、と思った。
 志ら乃師匠が定期的に取り組んでおられる、原作モノを落語化するイベントがあって、これは3日間連続で公演をして、各日の最後にダメ出し、じゃないけど、どう手直ししていくかゲストと話し合うコーナーがあって、何度か袖で勉強させて頂いたのだけど、ああいう場合、初めて聴いて、ここをこうした方が良いんじゃあ、とか、構成をこうした方が良いんじゃあ、とか、色々と思うことはあるのだけど、その場で、そのネタの事を一番知っているのは志ら乃師匠本人で、パッと聴いて自分が想像したルートなんかはすでに考えずみの場合が多く、やっぱり作者が一番作品の深いところまで到達しているのだなぁ、と当たり前の事を再確認させられたことを思い出した。

 いつものミャンマー人の方が働いておられる居酒屋でなく、少し離れたところにある笑笑で打ち上げ。広小路で前座仕事をしていた笑二も合流。そんな中繰り広げられる師匠の話は毎度のこと。自分達にとっては当たり前の光景だけど、他の一門の方から見たら信じられないような光景なのだろうな、と、ふと。感受性を鈍らせずにいたい。単純に、師匠自らがお湯割りを作るということだけでも、本来はありえないことだろうし。

 帰宅して、なんとなく頭文字Dが見たくなって、ネットを漁った。夏のシーンというか、車の部分じゃなくて日常のシーンを見たくなってのことだったのだけど、いざ見たらそれほどグッとこなくて、いまに至る。
 とりあえずブログは続けられている。システム変えてから今で、累計1万2千字とのこと。こう考えると2万字インタビューって、めちゃくちゃ長いんだなぁ。そういや僕は今日何字喋ったのかなぁ。万歩計、じゃないか、万喋計があれば分かるのだけど。あとはどれだけ喋ったか時間が分かる機械があったら、それと万喋計のデータとでその日の言葉の速さが測れるだろうなぁ、などと考えていると夜が更けていく。

 打ち上げ。向かいの大きなテレビにはTHE MANZAIが映されている。音は無く映像だけだからどれくらいウケているのか分からないし、ましてや横では打ち上げが繰り広げられているからマジマジと見る訳にはいかないけど、村本さんが泣いている。どうやらウーマンラッシュアワーさんが優勝したようだ。ネタは見てないけど、4分間、の、中の、1分間くらいに限れば、この日の村本さんの言葉の速さは桁違いだったんだろうなぁ。もう10年以上前か、18歳の頃、京都のお笑いライブで村本本田というコンビの次に舞台に上がったことを思い出した。結果的にはその年、2組しかいなかったアマチュアからM-1準決勝に進出したコンビのうちの1組だから当然なのだけど、めちゃくちゃウケてて、次に上がるのが本当に嫌だった時の、その嫌な感じは今でも覚えている。そのボケの方がのちに日本一になるとは想像だにしていなかったけど、後半は飛行機をいじるネタをされていた事だったり、「いつの時代の車やねん!」というツッコミも未だに耳に残っている。こんなこと、死ぬまで覚えてるのかなぁ。ちなみに、その年のもう1組いた、アマチュアからの準決勝進出コンビははだか電球、という名前で、このボケは今年NHKの本選に出ていた月亭太遊さんだ。どうってことは無いけど、そんなことを書きながら思い出した。

 現在12月16日朝4時前。これを書き始めてもうすぐ40分になるので、今日のところはこの辺で。明日は昼席、こしら兄さんと同じ舞台に立てる!、、あっ、いまで大体2420文字とカウンターに表示されているから、これを40分で割ると僕の文章の速度を導き出せる。そしてその結果は分速60.5文字のようだ。だからなんだ?知らん!寝よう!!などと書いているうちに夜は更けていく。や、夜が明けていく。