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忘れられない忘年会

 昨日は忘年会。先日知り合った九龍ジョーさんに呼んで頂いて、のこのこと新宿は歌舞伎町まで出かけることに。その前にマンハッタンで吉笑年鑑を作ってくださっている方と少しだけお話。ちょうど昨日、編集されてた本が完成し製本されたものが送られてきたから、ということでささやかにお祝いをした(と言っても、いつもご馳走になる一方なのだけど)。僕はと言えば引き続き調子が良くて、なのでいつも以上にエンジン全開で来年以降の進み方なんかをひたすら喋りつづけた。
 来年、自分主催の会以外に一切出ない、という鎖国体制をひこうかと本気で考えていたことがあって、だけどそれじゃあ活動場所が激減しちゃうし、早い話、今でさえカツカツの生活がもっと苦しくなるのは目に見えているし、そもそも自分は色々なところへ積極的に出て行きたい性分でもあるので、早い段階で断念したのだけど、その代わりに一度でもそういう極端な動き方をしようかな、と思えたのなら今以上にもっと過激な舵取りをできるんじゃないかと思ってあれこれ考えているところだったから、その考えていることをとにかくパーパー喋ってひたすら聞いてもらった。出版のお祝いだということなんかとっくに忘れてしまい、ひたすら喋ってしまった。
 少しお酒を飲んだりもしたから思いのほか長居してしまい、ギリギリ間に合うか、という様な時間で中野から新宿へ。そしたら、中央線が人身事故の影響で全然来なくて、右往左往した結果15分ほど遅刻して、指定された店へ。九龍ジョーさんから坂口さんが来るかも、と聞いていて、その坂口さんのツイートには石川直樹さんや前野健太さんが来るかもと書かれていて、これがどういう事かと言うと、自分がこれまで一方的に色々な機会で作品を観たり聴いたり読んだりしてきた人たちを待たせてしまっているということで、自分の計画が甘かっただけとはいえ、やっぱりこういう時に限ってこういう事になるなぁと凹んだりしながら。
 店に着くと、幸い?ちょうど半分くらいの方しかいらしてなくて何とか決定的なしくじりにはならずに済んだ。自分が興味のある文脈に近いから、ということもあるけど、色々とお話をさせてもらうと、自分との接点が色々あって驚いたりもした。スペシャで働いている高校時代の友達と仕事をしたことがある方はおられるし、僕が23,4の時、趣味で作ったフリーペーパーを置いてもらおうと突撃した渋い本屋の店長さんはおられるし、一番驚いたのは僕が勤めていた以前の会社での企画に出演してくださった方がいたことだ。久しぶりに前の職場の名前や働いていた同僚の名前を耳にして笑ってしまった。
 あとその中に、ひときわ綺麗な方がいて、水割りを作ってもらったりするたびに手と手が触れたりなんかして、かわいい人だなぁ、と思っていたこゆきさんが実は女装家=つまり完全なる男性(見た目がめちゃくちゃかわいい以外は僕と同じTHE男ということ)で、下手したら、というか下手しなくとも普通に好きになっちゃうような、というかちょっと好きになりそうになってた人が男だったと知って、この集まりは何でもありだなぁと思ったり。

 自分たちより少し上の世代(それこそ坂口さんや九龍ジョーさんや前野健太さんなどの世代)が結構前からめちゃくちゃ勢いあるし、自分の足場を自分で作っていく感じとかヤバいなぁ、みたいな話を、さっき書いたスペシャで働いている同級生のヤツとかと事あるごとに話していたから、まさにその勢いある感じを目の当たりにして、なんというか、自分の世代、むしろ自分はどういう動き方ができるのだろうみたいなことを考えたりしていた。その横では風営法のことなどについて、知らない人が見たら喧嘩をしてるんじゃないかと思われるであろうテンションで延々議論されている先輩達。政治に無関心な僕は特にそういった場で語るべきテキストを持ち合わせていないので、何も加わることができずに、少し歯がゆい思いをしたりもした。
 そのあとゴールデン街に移動して2件ハシゴしたのだけど、そういう遊び方も自分の世代でやってる雰囲気ってあまり普段感じることがなくて、もしかしたら自分たちも30代半ばになってきたらそういう風になるのかもだけど、それでもやっぱりこの世代のこの独特な感じってあるなぁと、やっぱり俯瞰で見てしまったり。
 自分や、自分たちの世代、文脈にいる連中が同じような交遊関係を築ける訳なんかなくて、自分たちなりのやり方があるのだろうし、もしかしたらすでにあるのを気付けていないだけなのかもしれないけど、それでもやっぱり同年代で闘っている仲間というのが色々なシーンにいる、というのはとても刺激的だし、羨ましいなぁと思った。
 とどめに九龍ジョーさんと磯部涼さんと図書室というバーのオーナーさんとバーガーキングへ。こんな遊び方をしたのは久しぶりだなぁなんて思いながら動き出した丸の内線で帰ったのだけど、有名人に会うことに慣れてない僕が一度にたくさんの有名人と会ったから、どうやら有名人に当たったようで、布団に入ってもなかなか興奮が冷めやらず、悶々としたりした。ようやくまどろんできた頭で、楽しかったけど忘年会が忘れられない思い出になったことはなんだか矛盾してるんじゃないかな、などと考えているうちに眠ってしまったようだ。
 起きたらまたいつもの生活が始まる。でも、それでいい。