2015.07.21 Tue
日常
(1) 31歳の夏。
梅雨が明けた。
今年の梅雨は例年よりも雨降り続きだった気がする。気持ちの問題かもしれないけど、天気が悪いと(特に気圧が低いと)、調子が悪くなりがちな自分にとってはちょっとキツい数週間だった。そして今は来るべき夏を心待ちにしている自分がいる。ギリギリまで我慢したけどついに解禁してしまったクーラーは今や当たり前のようにフル稼働しているし、扇風機も慌ただしく首を振っている。そうめんは6束くらい食べた。茗荷を入れるという夢は切り方が分からないからまだ叶っていないけど、今年は麺つゆにごま油を少し入れるという技を覚えた。何となく買ってみた朝顔の鉢に毎朝水をあげている。東向きのベランダは日当りが良いからすくすく育つと思っていたけど、何が良くないのか未だに花を咲かせてくれない。
毎年、夏が来ては過ぎていくだけなのだけど、それでも今年の夏は特別なものになりそうな気がしている。
9月からゼンコクツアーが始まる。動員は大丈夫かなぁ。天気は大丈夫かなぁ。無事に開催できるかなぁ。肝心のネタはちゃんと仕上げることができるかなぁ。準備すべき雑務は全然無くならないし、掴みどころのない不安が浮かんでは消える繰り返し。
一方で、恵文社や早川倉庫みたいな大好きな場所にまた行けるのが楽しみ。パインブルックリンやFUCA BASE、徳島の神山町みたいな初めて伺う場所もホームページを見るかぎり素敵な場所の雰囲気がプンプンしているから、楽しみ。
同時に今、年末に刊行予定の単行本の執筆をしている。ブラッシュアップの時間をしっかり確保するために8月中には書き上げる必要がある。突破力を込めたい本だから鋭い言葉を選んで書き進めては、読み直して怖くなってマイルドにして、でもやっぱり鋭くしなくちゃと一進一退を毎日繰り返している。
バタバタしている中でも次にやりたいことが、どんどん具体的な形になっていく。今仕込んでいることが失敗したら元も子もないけど、それでもそんなことは1ミリも思っていなくて来年以降の動き方がまた見えてきた。どんどんおかしな方向に進んでいくけど、地方で気持ち良く会をやりたいという事と、「吉笑ゼミ。」で教育と言ったら大層だけど、勉強する楽しさを若い子に伝えていきたいと思うようになった。もちろんこれまでの動き方は継続して、さらにこの2つに取り組んでいきたいと今は思っている。
そんな中、DVDを制作することになった。『クエスト』という若手落語家のDVDをたくさん作っておられる会社の方からオファーを頂いて、引き受けることにした。提案して頂いた企画と、自分がこれだったら引き受けたいないぁと思っていた企画とがかなり近かったのでスムーズに話が進んだ。
初めてのDVDだから現時点での自分の代表作のような落語をドドンと収録する方向も魅力的だけど、それよりも荒削りでもいいからまさに今の自分の空気感をパッケージしたいと思った。色々なタイミングが重なって、超絶バタバタしている今の、この夏の自分を映像で残してもらおうと思った。明らかにいま、これまでで一番の流れが来ていて、ちゃんと流れに乗ることができればまた次のステップにいけそうなのは明白で、という事は流れに乗り損ねたらまたしばらくは今いる場所でモソモソし続けなくちゃいけなくなるという、そんな自分でもどうなるか分からない、いまこの時を残しておきたい、と。10年後とかにお酒を飲みながら見直せるように作品にしておきたいと。
ということで、今年の夏、色々な締切に追われながら前へ前は駆け抜けていく僕をずっと追いかけてもらうことになりました。もちろん落語DVDだから落語も載せます。というか、それがメインです。
今、決まっていることは
・9月15日(火)に原宿のヒミツキチオブスクラップでDVD収録のための会を開催すること
・ネタは3席。すべてネタ下ろし。
・3席それぞれ、違ったテーマをクエストさんから指定される
ということ。
すでに2ヵ月きっているし考えただけでもヒリヒリするようなスケジューリングだけど、今この追い込み方をしておくべきだと判断しました。これまでのんびりやり過ぎていた。
半年前くらいに書いてランダムに投稿していた過去のブログがたまにアップされる中で、夏が終わるまではDVDとツアーの制作状況についてこのブログでは書いていこうと思います。暇な時に読んでくれたら嬉しいです。
31歳はまだまだ子供だった。まだまだあの夏の続きを。