2014.06.05 Thu
日常
カツサンド
またもや2日、空いてしまった。当初の気合いはどこへやら。ルーティンワークは難しい。とは言え、明らかに去年よりは継続できているから、この調子で一歩一歩。
色々なことがあった数日。
とにかく最大のトピックは3日に笑二の二ツ目昇進記念独演会が開催されたことだろう。僕は太鼓番を務めさせてもらった。当たり前だけど、もの凄く温かいお客様の前で笑二が気持ち良さそうに落語をやっていて、うらやましくなった。自分の時はどうだったっけな、と、思い出したりもした。とにかくめでたい。この一言に尽きる。
そして、笑二が用意した楽屋のお弁当の量が多すぎて笑った。一週間くらい前から台所のテーブルに昇進記念の会の予算計画表が置いてあって、お弁当の予算が多過ぎるから気にはなっていたのだけど、東京中のカツサンドをかき集めたんじゃないかというくらい高く積み上げられて山状になったそれを見て、笑ってしまった。
さらに打ち上げ予算の欄にもそれこそ桁が違うだろうという金額が書き込まれていたから、一体こいつはどんな店で打ち上げをしようと思っているのか?それとも何軒もハシゴするつもりなのか?テレビで見た事がある沖縄の大宴会みたいな感じをするのか?こっちは戦々恐々としていたのだけど、いざ打ち上げが始まってみれば、ちょうど良いお店で、ちょうど良い人数の関係者が集まった、ちょうど良い打ち上げなのだった。そうか、単に笑二がそういう計算が出来ないだけなのだ。
三本締めで打ち上げが終わり、一旦家に戻って、笑笑と一緒に飲みに連れていってもらった。そう、この日は初めて笑二に奢ってもらったのだった。まぁ、打ち上げの予算が予定よりずいぶん余っていることを知っていたから、ここぞとばかりに飲ませてもらった。途中、横のお客さんが知的好奇心旺盛な方だと分かったからここぞとばかりに数学の話をさせてもらった。無限の濃さの話とか、射影幾何の話をとことんした。それまで楽しく喋っていた、フランス人の女性の方の顔つきがみるみる曇っていくのが見えて、しまった、と思った。
ほどよい所で店を後にして、最後は部屋で明け方まで飲んだ。というか、後片付けをする笑二を見ながら、僕が一人で飲んでいた。特に山場もなく、朝になって、寝た。まぁ、そんなもんだろう。
あとは、メルマ旬報での連載『現在落語論』第二回分の原稿を書いた。
前回は連載を始めさせて貰えるようになったきっかけの話と、挨拶代わりに少しだけ僕が考えていることを書いた。そして今回は予定では、僕のお笑いの趣向と、それから落語に出会って、どういうルートで落語を好きになっていったかを、3回目にはそんな僕が普段どういうネタをやっているかを、書こうとぼんやり想定していたのだけど、いざ書き始めたら、なぜか書き出しから思わぬ方向に進んでいき、結果、これはずいぶんしっかり書いたな、というような文章になったのだった。いずれ書こうとは思っていたけど、まさかこんなに早く、ここまでみっちり書くとは、と自分でも意外だった。とにかく、落語についてこれまで書かれてきた文章には全くなかった切り口な気がしている。まぁ、僕の考えが落語のメインストリームからはズレにズレているから当たり前なのだけど、考えていることを文字にしてみて、自分でも新鮮に感じられたのが嬉しかった。落語に出会う前や出会った頃の僕が読んだらとてもワクワクしただろうなぁという文章がかけてよかった。
個人的なイメージとしては、いわゆる落語については家元を筆頭にたくさんの先輩方が書いてくださっていて、それも素晴らしい文章がたくさんあるから、僕がいま書いてること、書こうと思っていることは、副読本じゃないけど、そういうこれまでに書かれてきたことを前提に、そこに新しいレイヤーを追加している感じ。拡張パッチを当てている感じでもある。これまでに書かれて来なかったことだから、そういう意味では革新的に映るかもしれないけど、パラダイムシフトを起こしたいとか、そんなことは全く考えていなくて、とにかく、今までの落語像に少し新しい見方を付け足す、くらいのつもりで書いている。
のちのち、改めて別の形で発表することになるとは思うのだけど、だからこそ反対に今は『メルマ旬報』用に書く、ということを意識して書いているから、興味があればぜひご購読ください。毎月2回発行で、月額500円です。他の連載が凄いし、なにより量がとんでもないので、250円で雑誌を買ったと思えばずいぶん得していると思えるはずです。僕は他の連載陣に比べて圧倒的に暇なので、できるだけ毎回書こうと思っています。よろしくお願いします〜。
それと、笑二の披露目の時、スーツ姿だったからか会う人会う人に『太ったね』と言われてしまったので、ちょっと痩せてやろうと思います。確かに最近のお腹の出具合はまずいな、と自分でも感じていたので。