2014.05.11 Sun
日常
水道橋博士のメルマ旬報
引き続き、風邪をひき続けている。咳地獄でしんどい。
昨日は弟弟子と毎月やっている勉強会『談笑の弟子!!』だった。ご来場頂いた皆様ありがとうございます。追い込み期間に風邪をひいてしまって結局ネタ下ろしすることができず、高座自体もヨレヨレの感じになってしまい、悔しかった。体調管理、基本中の基本。それでも不思議なことに、高座中は咳も出ないしとても楽しく演れるのだよなぁ。
会の方は弟弟子がきちんといつも通り頑張ってくれた弟弟子に助けてもらった形。笑二のやった蜘蛛駕篭、難しそうだったなぁ。
もともと気分の浮き沈みが激しい方で、しかもパフォーマンス方法も即興的にその場の空気を感じながら色々と変えていく手法をとっているから、出来不出来の差が大きいタイプで、それは弱点でもあり、逆にノレた時は自分でやりながら思いもよらなかった展開になったりして武器でもあるのだけど、やっぱり毎高座きちんと力を出し切る必要があるなぁ、と最近強く思うようになった。
たぶん今、数年後に振り返ってみたときに大事な時期だったなぁ、と思えるような状況にさしかかっていて、というのは正直、自分の力だけでは用意できないくらいのチャンスが巡ってきているからだけど、ここでちゃんと結果を出し続けていけるかどうかが、今後の自分の立ち位置にずいぶん影響してくるだろうなぁ、と。
とは言え、やれることしかできないのは当然で、かつ、地力が乏しいのは厳然たる事実だから、本当はもう少し地力がついてから勝負の場に出て行くことができれば良かったのだけど、それは無いものねだりで、とにかく今、持っているものを最大限に利用しつつ、かつ、その場その場で現地調達したものをうまく利用して、何とか立ち向かっていきたいと思っている。だからこそ、風邪なんて最悪だから、早く治ってほしい。
twitterを見ていたら何となく情報解禁しても良さそうな感じだったので思いがけず呟いたのだけど、先日、水道橋博士さんから突然お誘い頂いて、『水道橋博士のメルマ旬報』で連載を始めさせて頂けることになりました。やったー!
メルマ旬報と言えば、えげつない方々が連載されているえげつないメルマガで、まさか、そこに自分が加われるとは想像だにしていなかった。風邪っぴきの中、オファーを頂いて、布団の中でどんなことを書こうかなぁと考えていた。情報のレコメン系は、それこそ僕なんかよりももっともっと詳しい、というかそもそも僕の情報収集源のような方々が連載されているから無いし、”自分”を切り売りする『ドキュメンタリー系』か、ネタおよびネタ案を発表する『ネタ系』か、そのどちらかだろうなぁと思っていたのだけど、そういや、今年の夏から秋にかけて、先にしっかり原稿を書いておいて、毎日毎日ブログで結構な熱量の文章をアップするお祭りみたいな企画をやろうかとを考えていて、その時に書こうとしていたことがピッタリはまるんじゃないかと思いついたから、たぶんその方向で連載させて頂こうと考えている。
タイトルは、立川吉笑の『現在落語論』。家元が現代落語論を書かれたのが確か28歳か29歳くらいの頃で、いま29歳、今年30歳になる自分にこういう機会が与えられたのも何かの縁だろうと、ちょっと前のめりなタイトルではあるけど、これでいこうと。
家元が現代落語論を書かれたときはすでに談志を名乗られていた=真打で、当然ながら落語界の中心におられたのだけど、僕はと言えば二ツ目なりたてだし、しかもスタンスが従来の落語界の文脈とは全然違うしで、当然「現代」の落語について書くことなんかできるわけないけど、立川吉笑の”現在の”落語論については書く事ができると思ったから、ひとまずこれを機に自分が考えていることを文字にしてみようと思っている。現在落語家論2014と言ったところか。これがまた5年後とかに書いてみたら全然違う内容になってるかもしれないし。
問題はどこまで腹を括って書くかで、いつもの僕の感じだとそれこそ最大限の熱量をそのままぶつけにいくのが正解だと思えるのだけど、今回はもう一歩上を目指してみたくて、「ドキュメント」と「論」のバランス、一番伝わりやすいラインを探れたらなぁと思っている。それこそメルマ旬報で最近始まったユウキロックさんの連載の前では、いま自分が出せる熱量なんかでは到底かないっこないだろうし。(とはいえ僕のことだから、蓋を開けてみたらドキュメント丸ぶつけ、みたいな感じになるかもだけど)
それでも楽しみなのは、いつもは飲みの席だとかのこじんまりしたところで話していることを、一気に大勢の方に伝えることができることで、軸としては、「伝統芸能」としての目線で落語を見るのじゃなくて、「笑いを表現する手法として漫才・コント・映像などには無いメリットがある」という目線で落語を見る、ということについて書くことになると思う。そもそも、落語界でそんなことを考えているのはごくごく一部で(下手したら自分だけかもしれない)、だからこそ、今まで言われてこなかった角度からの文章になると思っている。
それにしても風邪でしんどい。早く治ってほしい。