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噺家が闇夜にコソコソ収録

 『噺家が闇夜にコソコソ』の収録に行ってきた。今回で4回目の収録ではあるけど、やっぱりまだ慣れていない。と言うのも、フジテレビ・湾岸スタジオへ向かう道中、どうしても「これからテレビ局へ仕事に行く男です」というのを色々な人に自慢したくなってしまうのだ。誰かから電話が掛かってきたら「いま?あぁ、フジテレビで収録なんだ」などと聞かれてもいないのに答えてしまいそうだし、電話が掛かってこなくても『もしもし?あー、このあと急にフジテレビで収録が入ってさ。』みたいに渾身の一人芝居に打って出てしまうかもしれない。フジテレビのことを『CX』なんて呼んでしまうかもしれない。
 そんな、僕の内側に潜むモンスターを押さえつけるようにしながら湾岸スタジオへ。これも収録日の醍醐味の一つだなのだけど、入り口にある受付で『これから収録なんできました』という旨を警備員さんに伝えてパスをもらう。本当に凄い人はそんな手続きなどする必要はないし、普通はマネージャーさんとかが代理でやられる作業のようで、本人がそんな手続きをすることは無いようだけど、それでも『わっ、俺、業界人じゃん』とほくほくする瞬間でもある。
 パスをもらって、駅の改札みたいなやつを通過したら先にホワイトボードがあって、そこに自分の楽屋番号が書かれているからチェックする。その時にどさくさに紛れて他にどんな芸能人の方がいらしているのかも漏れなくチェックしておく。あとで、無駄に廊下をウロウロするためだ。水曜日に収録する番組は決まっているようで、何回か行っていると大体傾向は掴めてきた。そして昨日はその中でもまさにフジテレビを代表するような番組の収録をされていたようで、ズラーっ、と有名人の方の名前が羅列してあって、再びほくほくした。ちなみに僕の楽屋の向かいの部屋が某アイドルグループさんの楽屋だったので、いつもよりもきれいに楽屋を使った。もしかしたら間違えたメンバーさんが入ってくるかもしれないから、そのときに『わっ、几帳面な人だ!』と思って頂けたらこれ幸い、と思ったからだ。ただ残念ながら、誰も間違って入って来られなかったし、そもそも収録は早めに終わって皆さん帰られたのだと後で教えられてがっかりもした。

 これは僕の天邪鬼なところなのだけど、『どう自信ある?』『無いですよ〜』『またまた〜』みたいな、テスト前みたいなああいう予定調和のノリが嫌いで、だからこそ宮治兄さんに『また自信満々みたいな顔してるな』と言われた際にも『はい、今回は俺、凄いっすよ』みたいな返しをしていて、それをやりながら『あ〜、この流れよくないなぁ』と思っていた。お笑い界におけるマーフィーの法則のようなものがあって、こういうことを言うとなぜか絶対すべってしまうのだ。弟弟子とかに袖で偉そうに『見本を見せてやる』とか言って高座に上がると間違いなくすべってしまう。『あー、フラグが立ってしまったな』と内心びくびくしつつ、収録へ。
 そして、結果、結構すべった(笑)お笑いの神様はやっぱり厳しいなぁ。
 編集も入るし、各問題ともひとまず笑いをとることはできたとはいえ、前回なんかは出せば笑ってもらえる、みたいなウハウハ状態だったのが、今回は特に前半、かなり苦戦をした。そして宮治兄さんがまた一つ別の武器を用意されていて、それがガッツリはまったのが今回の収録だった。やっぱ凄いなぁ。横で宮治兄さんが活き活きと宮治ワールドを繰り広げられるなか、何とか、何とか、ともがきながら、何とか中盤以降はもり返した感じなのだった。

 収録後はYouTube用の動画撮影が居酒屋であった。飲んでるところに乱入される形だったのでその設定を守るべくいつもよりちょっと早いくらいのペースでオリオンビールを飲んでいたら結果、酔った。始まった瞬間はそれこそこういう場はたけ平兄さん・宮治兄さんの独壇場で、僕とそして春吾兄さんはほとんど喋らない感じだったのだけど、僕のお酒が進むにつれて、どんどんエンジンが回りだして、ある質問に対して一気にスパークしてしまい喋りすぎてしまった。僕が酔っぱらってツイートをしてしまう時のあのモード(笑)
 で、オブラートに包むの嫌いだからパーパー明け透けに喋った結果、しばらくして、そこは使えないということになったのだった。というかそういう流れに兄さん方が持っていってくださった。とは言え僕はもう酔ってるから『全然、大丈夫っすよ』みたいなことを言ってたのだけど、うん、使えない。
 もう1クダリ、これは使われる可能性があるのだけど、ADさんにみんなの印象を言ってもらう、みたいな流れのときに僕は『センス』と言われて、それ以降、ことあるごとに『センスあるんで』みたいなノリを使っていたけど、あれは本気で取られたら『うわー、きつい奴やな』と思われてしまうなぁ。まぁきつい奴なのだけど。他の3人がクレバー過ぎるのだけど、明らかに僕は不器用な振る舞いをしてしまう。まぁそれは性格とうか個性でもあるだろうかしょうがないのだけど。
 帰りは方向が同じの春吾兄さんと同じタクシーに乗せて頂いた。車中、当然あのモードに入ったままだから、色々とくだを巻いてしまった。まぁ、普段思ってるけど言ってないことを言ってるだけだから嘘をついてるわけじゃないのだけど、色々と言っちゃったなぁー。
家の前で降ろして頂いて、帰って、ちょっと事務メールを送って寝た。

 そういや、メイクをしようとメイク室に入ったら檀蜜さんが先にメイクをされていてギョッとした。メイクさんに横の席に案内されてしまい、しばらく隣同士に座ったのだけど極度の緊張で1つやらかしてしまった。この出来事に関しては収録中でも1クダリあったので、カットされてしまうかもしれないしとりあえず書かないでおくけど、とにかく、1つ問題が起きてしまったのでした。