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楽屋ばなし#64コメンタリー

 一週間が早い早い。ということで先週から毎週土曜日は楽屋ばなしのコメンタリーをやることにしています。例によってネタばればかりなので、まずは音源を聴いてから読んで頂ければと思います。基本的には音を聴きながら時系列で書いていってるので、1回聴いたあと、もう一度読みながら聞き返すとより楽しめるかもしれません。ただそこまで熱心に聴いて頂くコンテンツじゃない気もします、楽屋ばなしは。
 土曜日は「楽屋ばなしのコメンタリー」、月曜日は「その週のこと」、加えて「『談笑の弟子!!』に向けて」を不定期に、と少しずつルーティンを細かくしていく実験をしている。日々訓練。このブログも毎日更新を初めてもうすぐ10万字。書いたなぁ。

楽屋ばなし#64(バレンタインデー)
http://gakuyabanashi.seesaa.net/

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 今回は事前にいくつか時事的なテーマを決めていて、「バレンタインデー」の他にたぶん来週アップされるテーマだとかがいくつかあって、録音ボタンを押してから、どのテーマについて話すかは兄さんには伝えずによーいドンで話しだした。なので、最初は兄さんからしたら何の話をしているのかさっぱり分からないからああいうリアルな反応に。僕としてはとりあえず「兄さんがたくさんチョコをもらった」という前提で話そうと決めていて、年末にアップした分だったか『千羽鶴』とか『大掃除』とか、ああいう、シチュエーションを最初に決めて、その渦中にいる二人がまさに今相談している、という若干コントチックな要素をいれたシステムでやってみたら、流れなしで会話を組み立てていくいつものやり方よりもやりやすかったイメージがあったので、今回もそのシステムでやろうと目論んでいた。目の前にそれこそチョコが山のように積まれている感じを共有して、そこから流れが作れたらなぁと。そんな話し出し。
 「じゃあ具体的にどれぐらいたくさんのチョコをもらったのか」は決め手に欠けるというかセンスが問われそうで怖かったとみえて、聴き直したら、僕は早々2個とまず道をふさいで、あとはジャニーズは段ボール何箱だとか、「凄いですねぇ!」とかで、とにかく兄さんに決めてもらおうと卑怯な振る舞いをしていた。そしたら「チョコは3つ」というナイスな外し方をしてくださったので、さすがだと思った。そして「チョコは、」という縛りで、この先、「チョコ以外の何か」について羅列しながら話していく感じだなぁ、と大まかな流れが二人の間で共有できた瞬間。
 とりあえず二人が目にしてる全体の数を決めておこうと「コンテナ」とか言ったけど、これはもっと良い感じで言いたかったのに何にもできなかっただけ。あと、「チョコは3つ」と言われた時、本当はもっとリアクションして聞き役に徹した方が今回の形だとやりやすかったかも。
 「加湿器」は兄さんらしい言い分。僕だったらもっと「へん」なモノを言ってそこを掘っていく流れにしがちな場面だけど、兄さんは「加湿器」。聴き直しているいまだと、加湿器にこだわらず「じゃあこれは?」とぽんぽんリズムでもう少しアイテムを増やしてから次の流れを考えても良かった気がする。
 「愛を伝えるのに、加湿器を渡す」という構図ははっきりさせた方が面白いと思ったので自分で質問した、これは正解と思う。「なんで?」というのはこういう場合、よく使うな、自分。
 問いをのらりと交わされて「六法全書」。このあたりから察するにやっぱりポンポンとリズムで羅列していきたかったのだろうなぁ。もう一回「愛を伝えるのに、六法全書を渡す」「なんで?」と、輪郭をはっきりさせてもよかったなぁと反省。「会の帰り、大変だったでしょう」と目先を変えれたのはまずまずの仕事。それだけの荷物を抱えて帰る姿は画を浮かべると面白い。

 次の流れ探る中で自分がポロっと「義理」というワードを出しちゃったけど、本当は兄さんに言ってもらう方が良かったなぁと今なら分かる。僕は「へぇ、こんなにもらえるんですねぇ、凄いですねぇ」という立ち位置で、そこへ兄さんが「でも義理ばっかだよ。」と広げる。「?」「義理の加湿器だからね」みたいな風に流して、そこから「義理の加湿器」とか「義理の六法全書」のディテールを探る流れが楽しそう。。。と聞き返したら分かるのですが、アドリブでやってると、当然こういうことになってしまう。「義理の六法全書」は「本命の六法全書」とどう違うのか、とか考えただけでも面白そう。
 というわけで、たぶん兄さんも「義理の加湿器」などの面白みには気づきつつ、流れが悪かったから、さらに「生き物」の方に展開。
 このあたりは、たぶん前の流れを意識できたんだろう、僕がしっかり「愛を伝えるためにプレゼントする」という前提をしっかり振り直してるから、これはよくやった、自分。「グッピーを握りしめてる女性」の感じは画を浮かべたら面白い。このあたりは兄さんのよくやる技。この流れのときに僕がまたポロっと「手作り」というワードを出していて、これは言った瞬間にさっきの「加湿器」とか「六法全書」と結びついて、明らかに面白くなりそうだから、すかさず振ってる。こういう風に自然とワードが広がっていくのは調子が良い証拠。
 「手作りの加湿器」をしっかり説明していく流れでずいぶん遊べそうと思いながら話を振ったのだけど、思ってたより機能しなかった。これは二人の息が合わなかったからだろうなぁ。「水を補完しとく箱」は面白い。切ないもんなぁ。僕は「お母さんと一緒に作る」という方向で面白みを見出したのだけどこれも噛み合わなかった。イメージは買ってきたチョコレートを湯煎して形成してる感じで、加湿器を一旦溶かして、改めて固めてるイメージ。結構好き。
 このあたりで二人とも手詰まりになって、ちょっとアイドリングが続く。これが楽屋ばなしをやってるとよくある。とにかく喋ってなんとか次の流れを探る。この時はまた僕が「ホワイトデー」というワードを出したから、この瞬間にお返しをどうするか、という流れでいけそうだな、と考えているとこだと思う。
 と思ってたら、「おじさん」が「かけてたメガネ」をくれる、というのをノーモーションで兄さんが放たれた。これも画を浮かべたら面白い。言う前に兄さんがクスッとされてるのはその時点ですでに兄さんには画が見えてるから。こういうの聴き直してみると手に取るようにわかって楽しい。「帰り、ゆっくり歩いて。」も後姿を想像すると面白い。
 そこを受けて、さっき思いついてたお返しの話に。とりあえず「自分は飴」とまた先に流れを作って兄さんに丸投げ、という卑怯な戦法をとったのだけど、さすがにそうか兄さんも手詰まりでまた硬直状態に。二人で必死に次の光明を探している感じ。
 「くれた人に返さないで、全然違う人に返す」というのは兄さんのセンス。地肩でこれが出るのがやっぱり凄い。いま聴き直したら、このあたりもっと詳しく聴きたいけど録ってるときはもう集中力も切れてきたのだろうあっさり流してた。勿体ない。
 「メガネ2個かけてる」など、このへんは兄さんの時間が続く。極め付けは『鼻の穴隠し』。これこそテーマ関係なく単独で成立してるから、こんなに凄いのはめったに出ないけど、もしかしたらもともと別の機会に考えていたアイテムなのかもしれない、それがこのタイミングでポロっと出たのかも。分かりにくいけど「鼻の穴隠し」と聴いた瞬間に僕の顔がゆるんでるのが音でも分かる。すぐにある前提にして、それを「耳栓みたいですね」と受けたのは正解だと思う、自分偉い。もう兄さんの時間だから続けざまに「一個なんだけど」とか、もうやりたい放題。「いつでもどこでも気軽にふさげる」も面白いし、そもそも、何で一個なんだよ、といま聞き返して思っているところ。変なことを変えそうとせずに、ここは普通にツッコミにまわってもよかったなぁ。
 「鼻の穴隠し」が強烈だから、そのあとまたアイドリング状態に。「穴をふさぐ」で「炊飯器」に繋げられたのは楽屋ばなしをやってから身についた技で、兄さんにだいぶ影響を受けてると思う。もっともな事を言う、という。
 体感で二人ともここをもっと広げたら面白くなると思っているのだけど、打つ手がない状態が続く。兄さんはまだ色々と手立てを考えてらっしゃるけど、僕はここではあんまり考えられていないはず。相槌ベースだもんなぁ。
 あまりにも停滞していたのと、流れがバレンタインから離れてきてる、しかも時間的にそろそろ終わらせたい、というところから、兄さんが最後に振り直してくださった。よい仕事。
 で、もちろんここで終わりにもっていかなきゃ、というのは分かるから、なんにも思いついていないけど、「1個はチョコ」、と自分の首を絞めた。でもこういう追い込み方ができたのは調子が良かったからだと思う。あとはもう1つの方で、これはなんでもいいからセンスと運勝負。博打的な会話。
 結果的にはこの日はやっぱり調子が良かったらしく「冷蔵庫」が出た。その前のフタの流れで「冷蔵庫」が出てたからその音が残ってたんだろうけど、結果的には冷蔵庫が良い働きをしてくれた。チョコを冷やす、というのでちょっと現実的になるし。その後の「お母さん、担いできたの?」の受けは、なぜか説得力を増そうと「小さいやつ」みたいなことをいっちゃったけど、ここはいらなかったなぁ。お母さんが必死で背負ってる感じの方が画的に良いもんなぁ。「家からコンセントつないで」とかも画的に面白い。冷蔵庫を指輪ケースに見立てるのも良いのだけど、ここではうまく伝えられなかった。ここは自分の時間になったから後は言いたい放題で、「冷蔵庫にリボン」「冷凍庫に手紙」がどっちもなかなか良い。
このあたり、「お父さんがどういう気持ちで待ってる?」と兄さんが言う前くらいに、その冷蔵庫が普段使ってるやつで、作り置きのおかずとかが入ってる、という画が浮かんだから、そのタイミングで兄さんからそういうフリをしてもらえたから、笑みを隠せずにいる。たぶんめちゃくちゃうれしかったのだと思う。このボケ方も楽屋ばなしを始めてから使えるようになったパターンなのだけど、というか単純に兄さんのツボなんだと思うけど、やっぱり言った瞬間に全部伝わったのだった。「麦茶」も兄さんが好きそうな感じ。
と珍しく終わりがピタッと収まったから、止めた瞬間に兄さんから「吉笑くん、今日、調子良いねぇ」と言われたのが印象的だった。

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聴きながらリアルタイムで打って言ったらめちゃくちゃ長くなりました。感想だったり、話して欲しいテーマなどありましたら楽屋ばなしブログのコメント欄にでもお願いしますー。